著者
芦葉 浪久
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.3-27, 1989-01-30 (Released:2017-06-16)
参考文献数
11

科学概念形成のための学習方法を確立するため、概念形成が困難な基本用語20を選定し、各用語ごとに15〜20の概念記述文を作成して、用語と概念の結びつきを、中・高生に質問紙法で調査し、概念の理解度と概念構造を分析した。概念理解度を示す相対選択率の学年による変化の違いによって、概念用語は3つに類型化できた。これまで各概念ごとに概念形成学習法を考えていたが、類型ごとに共通する方法をとることができることがわかった。次に、各用語ごとに概念記述文間の類似性の距離を測度としてφ係数を用いてクラスター分析をし、概念の樹形図を作って比較した結果、科学概念と日常概念が別のクラスターを形成するか否かで、概念形成学習の成果を比較できることがわかった。
著者
芦葉 浪久
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.3-16, 1996-07-30 (Released:2017-05-31)
参考文献数
12

第1部では, 筆者が国立教育研究所在職中, 科学研究費補助金を受けて行った種々の研究領域とテーマを示し, それらの研究において用いた方法を紹介した. 研究に用いる方法論については, これらの研究の過程で恩師から特別の指導を受けたため, 第2部に方法論の重要事項をとりまとめた. その方法論の主なものは, 問題の明確な認識の方法, 問題の全体像の把握方法(問題の論理構造の分析), 事実の把握の方法, 仮設設定の方法, 仮設検証法(科学的方法, 実験的方法, 数量的方法, 質的方法, 実験法), 科学的推論(帰納法, 演繹法, 類推法, 因果律法)問題解決の非合理的要素(経験, 想像力, 直観力)である.