著者
田中 良太 吉田 治 松田 実 福島 久喜 花岡 建夫 呉屋 朝幸 関 恒明
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.1222-1225, 1997-06-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
15

注入法による豊胸術後乳癌の1例を経験したので報告する.症例は52歳女性, 23年前に注入法による両側豊胸術を受けた.左乳房および左腋窩部腫瘤を触知し増大してきたため当院外来を受診した.造影MRIにて左乳房に腫瘤像が描出され,腫瘤辺縁に輪状濃染像が認められたため乳癌を疑った.腫瘤摘出生検を施行し病理学的に浸潤癌との診断が得られたので定型的乳房切除術を施行した.組織学的には充実腺管癌,鎖骨下リンパ節転移陽性と診断された. 造影MRIが注入異物と乳癌との識別に有用であった.
著者
福島 淳一 鍋谷 欣市 花岡 建夫 小野澤 君夫 中田 芳孝 木村 治 藤井 道孝 藤田 周一
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.455-460, 1988
被引用文献数
13

症例は69歳男性。昭和62年5月14日,起床時に水を飲んだところ,突然,右前胸部より背部にかけての激痛が出現した。痙痛はしだいに軽快した。翌日の食道透視にて中部食道右側よりバリウムの漏出が認められ,特発性食道破裂の診断を受けた。入院後,胸腔ドレーンが挿入され,胸腔内洗浄が施行された。その後の食道透視にて,破裂口の閉鎖を認めた。特発性食道破裂は,早期診断・早期手術が原則であるが,最近では保存的治療による治癒例の報告も増加している。保存的治療も,その適応を誤らなければ,有効な治療法の1つとなり得る。今回,われわれは,保存的治療で治癒することのできた1例を経験したので報告する。