著者
遠藤 哲也 木村 治
出版者
北海道医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

日本でわれている養殖クロマグロの水銀汚染と有機塩素系化合物汚染を分析し、天然マグロの場合と比較した。養殖クロマグロの水銀濃度は厚生労働省の定めた基準を越えるものが少なく、一般に天然のクロマグロより低かった。一方、脂溶性の高い有機塩素系化合物濃度は天然クロマグロより高く、多食者には健康被害が心配される。地中海で行われている畜養マグロの場合の水銀および有機塩素系化合物濃度は日本国内の養殖マグロに比べて著しく高いものが多く、これは魚体の大きさを反映していると思われる。
著者
二瓶 裕之 浜上 尚也 木村 治 小田 雅子
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.2021-014, 2021 (Released:2021-09-15)
参考文献数
10

新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環として,面接受講と遠隔受講を組み合わせて実施した早期体験学習ワークショップの実践方法と教育効果の検証結果を報告する.例年実施していた施設訪問は中止とし,その代替として,ワークショップの実施時間を拡充した.デジタルを活用して学びあいの機会を提供するなどして,学生の集中力を持続させたり,遠隔受講の学生も含めてディスカッションができるようにした.デジタルを活用することにより,「ワークショップに参加してよかった」,「ワークショップが役立った」などの事後アンケートの結果を得たが,一方で,フィジカルによる学びあいの重要性も再認識できた.
著者
川畑 大作 木村 治夫 青柳 恭平
出版者
日本情報地質学会
雑誌
情報地質 (ISSN:0388502X)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.79-88, 2021-09-25 (Released:2021-09-25)
参考文献数
27

火山地域においては断層変位地形が不明瞭であることが多いため,従来の航空写真判読や現地調査に変わる活構造の抽出手法の開発が課題になっている.本研究では,傾斜と累積流量を使ってSPI(ストリームパワー指数)分布図を作成し,平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震発生地周辺において活構造がどのように表現されるかについて検討を行った.SPI分布は傾斜量や起伏量ほど,平面的なエッジの抽出に適してはいないが,一つの河川系において活構造や差別侵食などに起因する遷急点を明瞭に表現することができることが明らかになった.
著者
西牧 可織 二瓶 裕之 井上 貴翔 鈴木 一郎 足利 俊彦 堀内 正隆 新岡 丈治 木村 治 青木 隆
出版者
一般社団法人 日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.2020-042, 2021 (Released:2021-03-23)
参考文献数
8

大規模クラスであっても効果的な文章指導を行うために,クラウドを活用した協働学修を授業に組み込んだ.クラウドを活用した協働学修では,クラス規模の大きさを逆に利点とするために,ネットワーク上に仮想的な共同作業の場を提供することでディスカッションの活性化を図った.その結果,受講生が互いの意見を見ながら,全員がクラウド内で自身の意見を発するようになり,授業最終回には意見の記入回数も増加するなどディスカッションが活性化されたことを確認した.また,ディスカッションを経て提出したレポートは正答との一致率も高まった.さらに,学生へのアンケート結果からも,SBOに対する達成度が授業回を追うごとに高まり,文章指導における協働学修の必要性の認識も高まるなど,薬学教育における言語表現能力の必要性や重要性に対する気づきが多くの学生へ広がったとの知見を得た.
著者
中西 利典 木村 治夫 松山 尚典 ホン ワン 堀川 義之 越後 智雄 北田 奈緒子 竹村 恵二
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.163-173, 2019-04-01 (Released:2019-06-04)
参考文献数
29

中央構造線活断層系の西端に位置する別府湾は,およそ5Maから沈降場にある.その南縁の府内断層は同堆積盆を構成する主要な正断層である.その活動性を評価するために,断層を挟んで掘削された7本のボーリングコア試料を用いて,堆積相解析,珪藻化石の群集組成解析,合計17試料の陸源植物片と4試料の海生炭酸塩の放射性炭素年代測定を実施した.それらの解析結果を基にして,デルタフロント相,デルタプレーン相,人工盛土相を認定した.これらの堆積構造と変形構造は地中レーダ探査によって可視化された.これらの結果,デルタプレーン相の最上部の泥層の堆積年代と珪藻化石群集を基にして800~400calBPの最新活動を認定した.デルタフロント相の泥層の上下変位量を基にして2,100calBP頃の活動も認定した.これらからおよそ1,700年の再来間隔が計算できる.
著者
木村 治夫 中西 利典 丸山 正 安藤 亮輔 堀川 晴央
出版者
日本活断層学会
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.38, pp.1-16, 2013

The Itoigawa-Shizuoka tectonic line (ISTL), which is located between the NE and SW Japan arcs, is one of the most major tectonic lines in Japan. The N-S trending Kamishiro fault located in the northern part of the ISTL active fault system is an east dipping reverse fault. Near the southern part of the fault, the alluvial fan formed by a river flowing toward the southeast is tilted to the west by faulting. To reveal shallow subsurface deformation structure above a depth of 5 m, we carried out ground penetrating radar (GPR) profiling along two survey lines, whose lengths are 50 m and 130 m, respectively, across the fault. The GPR data was collected by common-offset modes using the control unit SIR-3000 (Geophysical Survey System Inc.) and the 200 MHz antenna Model-5106(Geophysical Survey System Inc.), and the station spacing was 0.01 m. The depth converted GPR sections after careful data processing are very concordant with the geological section based on drilling and trenching surveys conducted near the GPR survey. The GPR sections show deformation structure of the fan deposits in detail. The vertical displacement of the top of the fan gravel deformed by the Kamishiro fault is over 3.0 m during the last faulting event.
著者
木村 治夫 中西 利典 丸山 正 安藤 亮輔 堀川 晴央
出版者
日本活断層学会
雑誌
活断層研究 (ISSN:09181024)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.38, pp.1-16, 2013

The Itoigawa-Shizuoka tectonic line (ISTL), which is located between the NE and SW Japan arcs, is one of the most major tectonic lines in Japan. The N-S trending Kamishiro fault located in the northern part of the ISTL active fault system is an east dipping reverse fault. Near the southern part of the fault, the alluvial fan formed by a river flowing toward the southeast is tilted to the west by faulting. To reveal shallow subsurface deformation structure above a depth of 5 m, we carried out ground penetrating radar (GPR) profiling along two survey lines, whose lengths are 50 m and 130 m, respectively, across the fault. The GPR data was collected by common-offset modes using the control unit SIR-3000 (Geophysical Survey System Inc.) and the 200 MHz antenna Model-5106(Geophysical Survey System Inc.), and the station spacing was 0.01 m. The depth converted GPR sections after careful data processing are very concordant with the geological section based on drilling and trenching surveys conducted near the GPR survey. The GPR sections show deformation structure of the fan deposits in detail. The vertical displacement of the top of the fan gravel deformed by the Kamishiro fault is over 3.0 m during the last faulting event.
著者
福島 淳一 鍋谷 欣市 花岡 建夫 小野澤 君夫 中田 芳孝 木村 治 藤井 道孝 藤田 周一
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.455-460, 1988
被引用文献数
13

症例は69歳男性。昭和62年5月14日,起床時に水を飲んだところ,突然,右前胸部より背部にかけての激痛が出現した。痙痛はしだいに軽快した。翌日の食道透視にて中部食道右側よりバリウムの漏出が認められ,特発性食道破裂の診断を受けた。入院後,胸腔ドレーンが挿入され,胸腔内洗浄が施行された。その後の食道透視にて,破裂口の閉鎖を認めた。特発性食道破裂は,早期診断・早期手術が原則であるが,最近では保存的治療による治癒例の報告も増加している。保存的治療も,その適応を誤らなければ,有効な治療法の1つとなり得る。今回,われわれは,保存的治療で治癒することのできた1例を経験したので報告する。