- 著者
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福島 淳一
鍋谷 欣市
花岡 建夫
小野澤 君夫
中田 芳孝
木村 治
藤井 道孝
藤田 周一
- 出版者
- 杏林医学会
- 雑誌
- 杏林医学会雑誌
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.4, pp.455-460, 1988
- 被引用文献数
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13
症例は69歳男性。昭和62年5月14日,起床時に水を飲んだところ,突然,右前胸部より背部にかけての激痛が出現した。痙痛はしだいに軽快した。翌日の食道透視にて中部食道右側よりバリウムの漏出が認められ,特発性食道破裂の診断を受けた。入院後,胸腔ドレーンが挿入され,胸腔内洗浄が施行された。その後の食道透視にて,破裂口の閉鎖を認めた。特発性食道破裂は,早期診断・早期手術が原則であるが,最近では保存的治療による治癒例の報告も増加している。保存的治療も,その適応を誤らなければ,有効な治療法の1つとなり得る。今回,われわれは,保存的治療で治癒することのできた1例を経験したので報告する。