- 著者
-
花田 真吾
- 出版者
- 東洋大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2016-04-01
本研究は、世界的に進展している国際人的交流・知識交流の主要な場である高等教育セクターにおいて、どのような交流がおこなわれており、それがどのような効果をもたらしているのかについて実証的に分析することを目指している。具体的には次世代の社会を担う存在である学生に着目し、学生を主体とした人的交流や知識交流が学生個人の成長や高等教育機関の教育・研究活動にもたらす影響について質的・量的に明らかにすることを目的としている。平成29年度の研究実績の概要としては、主に次の点があげられる。第一に、理論研究については、初年度におこなった先行研究調査を踏まえ、異文化理解・多文化共生社会研究が進んでいるカナダの高等教育機関を訪問し、現地研究者との研究会をおこなった。その成果の一部を共著書籍にまとめて刊行した。第二に、現地調査においては、国際人的交流の事例として中国、マレーシア、ベルギーのブランチキャンパス本務校に調査をおこなった。次年度はブランチキャンパスに所属する研究者・学生への調査をおこなう手配が整っている。第三に、国際人的交流の一つである留学を取り上げ、留学が参加学生の異文化理解や渡航国・地域の人々との相互理解の進展にどのように寄与しているのかについて実証分析を進め、その結果についてはアメリカ合衆国の異文化理解関連の学会にて発表をおこなった。これをベースに次年度の成果物の発信につなげていく予定である。第四に、昨年度の現地調査の結果の一部について共著書籍にまとめて刊行した。