著者
芳山 三喜雄
出版者
玉川大学ミツバチ科学研究所
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.65-72, 2011 (Released:2013-10-08)
著者
前田 太郎 坂本 佳子 岡部 貴美子 滝 久智 芳山 三喜雄 五箇 公一 木村 澄
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.109-126, 2015
被引用文献数
4

2010年頃から,飛べないニホンミツバチApis cerana japonica Rad. が巣の周辺を這いまわり,多くのコロニーが消滅していく事例が日本各地で見られるようになった。その症状が,セイヨウミツバチAp. mellifera L. で報告されているアカリンダニ症と酷似していることから,原因としてミツバチに寄生するアカリンダニAcarapis woodi (Rennie)の寄生が疑われた。しかし,実際にアカリンダニの存在を確認した例は少なく,2013年3月までの公式報告はわずか4件のみであった(農林水産省,2014)。前田(2015)の2013年度の調査によると,すでに日本の広い範囲でニホンミツバチがアカリンダニに寄生されており,今後さらに寄生地域が拡大していくことが懸念される。アカリンダニの生態や防除法に関しては,ヨーロッパやアメリカを中心に,セイヨウミツバチを用いた研究調査が行われてきたが,日本ではアカリンダニについて正確な情報が十分知られておらず,現状の把握と対策が遅れている状況にある。
著者
芳山 三喜雄
出版者
玉川大学ミツバチ科学研究所
雑誌
ミツバチ科学 (ISSN:03882217)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.65-72, 2010

主にヨーロッパと北米を中心に,世界の異なる場所でのミツバチ群消失とそれに関連する要因であるミツバチの病害虫について紹介する。ここで紹介したヨーロッパや北米の国々の間だけでも多様な病原体が蜂群減少に関与していることが示された。過去50年の間で国や地域ごとの農業形態や社会経済の変化に伴い養蜂業を取り巻く環境も大きく様変わりしてきた。例えば,アメリカでは大規模なモノカルチャーの花粉媒介にミツバチは酷使され,代表的な例ではアーモンド産業だけで,150万群というアメリカ全体の蜂群の半数以上を利用している。大陸間の長距離移動などの過酷なストレスがミツバチに与える影響など多くの問題に直面している。