- 著者
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山田 貴代
山下 淳
苗 鉄軍
- 出版者
- 日本農作業学会
- 雑誌
- 農作業研究 (ISSN:03891763)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.1, pp.11-19, 2009
本研究は,静的作業における作業者の精神的負担を知ること,作業者の負担を軽減させる休憩の効果を明らかにすること,休憩の際に飲用する市販のカフェイン含有コーヒーの効果を明らかにすることを目的とした.被験者に精神作業負荷を課すため,内田クレペリン検査を使用し,以下の3つの実験を行った.実験1では,短時間の休憩時間(5分間)でも休憩中に飲料を飲用すると,休憩効果の向上がはかれることが分かった.実験2では,休憩時間を20分に延長し,さらにカフェイン含有の有無が休憩効果に及ぼす影響について調査した.正答数,脈拍数およびカオスアトラクタを調べた結果,カフェイン含有コーヒー飲用時の方が休憩の効果が高かった.そこで,実験3では被験者数を38人に増員し,二重盲検法にてカフェインの効果を詳細に調べた.15分間を1ラウンドとし,10ラウンド(計150分)まで作業し,途中(75分)でカフェイン飲料を飲用した.その結果,カフェイン飲用した場合には作業量が多くなることが分かった.平均脈拍数に関してもカフェイン含有コーヒー飲用グループでは低下し,従来のカフェイン効果の研究結果とほぼ同じ傾向を示した.また,各ラウンドの被験者の精神的負担の状況をアトラクタによって確認することができた.<BR>以上,静的作業者にとっても動的作業と同様に休憩は重要であり,休憩の際にカフェイン含有飲料を飲用することによって,より良い作業環境を構築できると示唆された.