著者
小野 三嗣 荻野 光男
出版者
一般社団法人日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.64-68, 1963-06-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
4

東京都内T小学校, 埼玉県下S小学校の就学学童全員について, 昭和37年7月, 身長, 坐高, (下肢長) 膝上高, 膝下高を測定し, 長育発育の比率動態を研究した結果, 次の結論を得た。1) 埼玉S小学校の身長は, 男子は1961年の身長水準に概ね一致しているが, 女子の発育は不充分で1950年度の全国水準値付近にとどまっている。2) 東京T小学校は男女ともに, 1961年の全国水準より大きい。3) 下肢長発育傾向はS校よりもT校の方が強いが, 東京練馬区の2小学校調査では, 遂年的に下肢長比が増大する傾向が認められる。4) 東京T小学校と埼玉S小学校の下肢長発育の差は, 特に下腿長発育の差に強く現われている。以上の事実に若干の考察を加えると共に, 机, 椅子の高さとの関係について言及した。
著者
小野 三嗣 荻野 光男 本間 達二
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.35-38, 1964
被引用文献数
3

特別には運動などを行つていない, 医科大学の男子学生について, 能動握力と受動握力及び肩帯固定力を測定し, 次の結果を得た。<BR>1) 能動握力と受動握力とは, その被験全例について, 相関係数を求めると0.52となるが, 約5%の極端なものを除外すると相関係数は0.42に低下する。<BR>2) 受動握力と肩帯固定力との相関係数は, 0.67で, 比較的強い正相関を示す。<BR>3) 力を一定にして浅指屈筋の遠位端, 筋腹中央, 近位端附近の皮膚表面から誘導した筋電図では, 能動的な場合も, 受動的な場合も殆んど差異を認めなかつた。