著者
荻野 博
出版者
流通経済大学
雑誌
流通経済論集
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.51-75, 1971-02
著者
荻野 経子 扇内 秀樹 保母 敏行 荻野 博
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.476-480, 1988-09-05
被引用文献数
1

歯が象げ質中のアスパラギン酸(残基)のラセミ化反応を利用する年齢推定法において,一連の分析操作過程をより深く理解することはより正確な分析を行うために重要と考える.本実験では特にD/L比の測定に直接影響を及ぼすと思われる歯が象げ質の酸加水分解過程について検討した.実験には年齢既知のヒトの第三大きゅう歯(歯冠部象げ質)を用い,酸加水分解条件のうちの酸濃度,温度,時間について速度論的に,かつ分解条件の変動による推定年齢への影響について検討した.その結果,既報で設定した加水分解条件(6M HC1,100℃,6時間)を用いる場合,酸濃度,時間がそれぞれ±0.5M,±0.5時間変化してもほとんど影響しないことが明らかになった.
著者
荻野 博
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.143-147, 1990

分子の輪が二つ組み合わされた化合物を[2]-カテナンという。トポロジー異性体と呼ばれるものの一種である。[2]-カテナンも, あるいは三つの輪を組み合わせた[3]-カテナンも, 化学者の努力により合成できるようになった。アウディの車のマークや五輪マークに相当する[4]-および[5]-カテナンの合成はまだである。ここでは, トポロジー異性体の合成に化学者が知恵をしぼってきた歴史を概観する。この方面は, 最近になって大きな発展が見られ, 数学と化学がドッキングしたこの新しい分野の今後の展開が, 大変楽しみである。
著者
荻野 博 谷口 功 松村 竹子 田中 晃二 佐藤 弦 佐々木 陽一
出版者
東北大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1991

本研究を推進する上で基本となる単核、二核および多核錯体ならびにクラスターの合成について大きな進歩が見られた。特に二核錯体については系統的な錯体の合理的な合成がいくつかの系で可能となった。これらの成果にもとずき、錯体の電子状態と酸化還元電位との関連および混合原子価状態の理解を深めることができた。ゼロ次反応速度則に従う電子移動反応系、プロトン移動と共役した電子移動やCO_2還元を触媒する錯体の発見など、興味ある種々の電子移動反応系が発見された。金属タンパク質の電極上における酸化還元挙動の研究の歴史は極めて浅いが、本研究においても大きな進展が見られた。金属錯体の光誘起電子移動反応が理論および実験の両面から研究された。走査トンネル顕微鏡(STM)の発明とその後の急速な発展は、これまでほとんど推測の域をでなかった固体界面の研究状況を一変させつつある。電極と溶液界面における電子移動との関連から、本研究においてもSTMを使った表面化学種の構造解析が行われ、大きな発展があった。以上述べた研究は研究者間の相互の連絡のもとに進められた。平成3年11月11日および12日の両日にわたって東工大において、さらにまた平成4年11月11日および12日の両日にわたって分子科学研究所でそれぞれ公開シンポジウムを開催し、総括的な検討を行った。なお1992年のノーベル化学賞は「化学系における電子移動理論への貢献」を行った米国カリフォルニア工学大学のマーカス教授が受賞した。我々の研究提案がいかに緊急性があったか、また時宜を得たものであったかを証明したものと自負している。