著者
松任 麗華 森下 郁子 菅原 正孝
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境工学研究論文集 (ISSN:13415115)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.109-114, 2002-11-14 (Released:2010-06-15)
参考文献数
7

The collaboration among administrator, citizens and specialists is needed to approach stream environmental management in Japan. The society's attitude towards streams has changed from flood control and effective utilization of water resources to restoration of biological conditions. In this study, we conclude that biomonitoring based on indicator biology and habitat diversity index such as MILFm97 and HIMm98 effectively assesses the whole aspects of stream environment.
著者
尾崎 博明 山田 修 菅原 正孝 濱崎 竜英 林 新太郎
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、新機能を有するナノセラミックスを微量有害有機物の処理に適用するための新規水処理技術の開発を行った。まず、TiCあるいはTiCにイリジウム(Ir)を分散させた粉末を原料として、燃焼合成法により透水性を有する多孔質セラミックスを合成した。同セラミックスは導電性と溶質吸着能を有することから、これを電極として微量有害有機物の分離(吸着)と分解を同時に行う処理法について検討した。医薬品類18種類の混合溶液について試験したところ、12種類については5分から120分の処理時間で分解し、本法が医薬品類のような難分解性物質の分解に有効であることが明らかになった。超難分解な有機フッ素化合物(PFOA:Perfluorooctanoic AcidとPFOS:Perflu-orooctane Sulfonate)に対して同法を適用したところ、各々84%と99%の除去率が得られた。排水中のこれらの物質について既報分解例はほとんど無く、本法がPFOAおよびPFOSの除去に有力な新手法となりうる重要な知見を得た。また、同セラミック多孔体をフィルター状に加工し、微量有害有機物の分離・分解同時処理を行う「ろ過型電気分解装置」を初めて開発し、医薬品類について処理試験を行った。その結果、溶質の約20%がセラミックスに吸着しながら電気分解が進行し、多くの医薬品類について高除去率が得られことがわかった。さらに、ナノセラミックスが有する光触媒機能に着目し、高強度光触媒繊維による微量有害有機物分解特性について考究し、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)についてCO_2までにいたる分解機序を明らかにするとともに、医薬品類の分解にも適用可能であることを明らかにした。上述した成果の内、とくにろ過型電気分解装置に関する研究は特許申請にもつながり、新しい水処理技術の開発に道を拓くものとして特筆できる。
著者
藤川 陽子 菅原 正孝 濱崎 竜英 米田 大輔 南 淳志 杉本 裕亮 岩崎 元
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学人間環境論集 (ISSN:13472135)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.261-276, 2010-03

地下水中に自生するバクテリアを用いた亜ヒ酸・砒酸・鉄・マンガン・アンモニア同時除去の生物ろ過システムの開発を行ってきた。様々なバクテリアのうち,鉄バクテリア(溶解性の鉄及びマンガンを生物学的に酸化し,これらを酸化物として沈積させるバクテリア)および硝化菌が著者らの生物ろ過システムでは大きな役割を果たす。この報告では2004年以来の生物ろ過のパイロット試験結果を概括する。目的は砒素の効率的除去を達成するための最適運転条件探索である。
著者
和田 安彦 菅原 正孝 三浦 浩之
出版者
関西大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1987

平成元年度の研究においては、昭和62年度の非特定汚染源負荷の調査・解析結果と昭和63年度に開発した非特定汚染源からの流出負荷量予測モデルをもとにして、雨水流出抑制施設等による非特定汚染源負荷の制御方法を確立し、実用化を検討して、3か年の研究成果のとりまとめを行うことが主な研究内容である。非特定汚染源からの流出負荷量の抑制方法には、非特定汚染源負荷の堆積量の削減と、雨天時流出量の抑制がある。そこで、流出水量系モデルと流出負荷量系モデルで構成されている数値モデルによって、下水道に種々の雨水浸透・貯留施設を有機的に結んだ広域的な雨水流出制御システムの効果を検討した。この雨水流出制御システムは、各種対策施設をユニット化することで、様々な流出形態に対応できるものである。都市型水害が発生しているある都市の排水区(排水区画積;211.35ha、不浸透域率;63.7%)において、広域雨水流出制御システムを導入した場合の効果を検討した。制御システムは道路下の浸透連結管、貯留池、管内貯留、雨水滞水池を組み合わせたもので、排水区全域の道路下には、すべて浸透連結管を設置する場合を検討した。この結果、雨水制御システム導入により、降雨初期の汚濁物質のファ-ストフラッシュ現象の発生を防止でき、越流の発生を大幅に抑制できることが明らかとなった。また、総降雨量80mm、時間最大降雨強度10mm/hr程度の降雨時においても、広域制御システムを導入すれば、公共用水域への流出負荷量を半減できることも明らかになった。今後、都市域での非特定汚染源負荷の流出制御には、各種の雨水制御施設を効果的に運用することが重要であり、最適な運用方式の確立、適切な施設規模の選定、降雨情報や流出情報に基づく施設制御等が必要になる。