- 著者
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久留戸 真奈美
菅沼 薫
- 出版者
- 日本化粧品技術者会
- 雑誌
- 日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
- 巻号頁・発行日
- vol.54, no.1, pp.48-58, 2020-03-20 (Released:2020-03-20)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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男性の顔面皮膚は,皮脂量は多いものの同年代女性に比べてキメが粗く乾燥していることに加え,加齢とともに皮膚色が赤黒くなるという男性特有の加齢変化を示す。これは男性のヒゲ剃り習慣が大きく影響していると考えられる。そこで,本研究は,長期間電気シェーバーと安全カミソリのいずれかのみを毎日使用している20代と50 代の2つの世代の顔面皮膚を調査することで,ヒゲ剃り習慣による長期的な皮膚への影響を推測することを目指した。あわせて,被験者自身の肌状態,スキンケアなどのアンケート調査を実施し,男性の顔面皮膚の加齢と,ヒゲ剃り,スキンケア等の関連を考察した。調査の結果,20代と50代の肌を比べると,50代の肌は赤黒くなるだけでなく,頬からアゴ下にかけて多くの色素沈着が見られた。これは,ヒゲ剃りダメージの大きさを示している。一方,アンケート調査では,紫外線対策を含めてスキンケアを怠っている男性が多数であった。日本人男性の顔面皮膚は,「ヒゲ剃り習慣」と「スキンケアの怠り」が長期に渡った結果,男性特有の加齢変化を起こしていると考えられる。