- 著者
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藤本 和貴夫
華 立
- 出版者
- 大阪経済法科大学
- 雑誌
- 基盤研究(C)
- 巻号頁・発行日
- 2010
日ソ国交樹立(1925)から満州事変の始まる1930年代の初めまでの日ソ関係は、安定していたと評価されているが、実態の研究はほとんど進んでいなかった。1920年代後半もウラジオストクには日本居留民会が存続し、日本人の経済・文化活動が活発に行われていたという事実に注目すべきである。他方、日ソ両政府は、さまざまな点で対立しつつも、東北アジアにおける両国の利害関係を調整しようと努力した。1930年代に確立される「社会主義国家」対「資本主義国家」といったステレオタイプとは異なる日ソ関係が1920年代後半には成立していた。1931年9月の満州事変の勃発に対して、ソ連は中立の立場をとったが、日ソ関係は悪化し、1936年の日独防共協定の締結により、日ソ関係は事実上断絶した。