著者
藤井 淑禎
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
pp.9-17, 2008-03-25

3 0 0 0 OA 乱歩と大東京

著者
藤井 淑禎
雑誌
大衆文化 = Popular culture
巻号頁・発行日
vol.1, pp.11-20, 2009-03-25
著者
藤井 淑禎
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

近代日本における<望郷>の心情をあとづけ、その意味をさぐる本研究の作業は、大きく分けて、二つの山をかたちづくることとなった。ひとつは、昭和30年代を中心とするいわゆる高度経済成長期の動向をめぐって。そしてもうひとつは、近代化を振り返る余裕も生まれた明治末期の動向をめぐって。前者については、おもに社会史・精神史的方法からのアプローチを試みた。当時の流行歌やアマチュアの書き手による手記・投書文などを素材とし、社会背景、経済事情、農業政策などを具体的なデータにもとづき復元し、総体としての高度成長期の様相を明らかにせんとした。その成果の一部は、『望郷歌謡曲考-高度成長の谷間で-』(NTT出版、平9.3)として公刊した。後者については、これとは逆に、もっぱら<振り返る>という行為の仕組みが科学的に明らかにされ、かつそれが表現手段を獲得するまでの過程を探ることに終始した。具体的には、心理学や哲学の分野で試みられた「過去」や「回想」のメカニズムの追求をめぐる諸事情を明らかにし、かつ、そうして得られた「過去」がどのようにして文章や小説のなかで表現可能となっていったかを探ろうとした。この時期、多くの小説で、「過去」の表現をめぐって構成上文体上のさまざまな試行錯誤があったことがわかるのである。
著者
渡邉 正彦 石川 巧 藤井 淑禎 瀧田 浩
出版者
玉川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

高度経済成長以前の状況では、一国の文化が一つの価値観に収斂されていく傾向が顕著であるが、しかし高度経済成長によりもたらされた経済的余裕を背景として、個人の価値観が多様化し、それに即した表現が様々な形で現れてくるようになり、そして、そのような状況の中で、統一感を喪失することを余儀なくされた人々が、必然的に孤独感を抱え込み、そのはけ口を表現に求めるようになる傾向が看取される。
著者
瀧田 浩 藤井 淑禎 渡邉 正彦 石川 巧
出版者
二松学舎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の具体的な成果として、研究分担者石川巧の著書『高度成長期の文学』(2012年、ひつじ書房)がある。本書にあるように、高度成長期における大衆の欲望は不可逆に変容し、文化もこれに伴い大きく変わった。私たちの研究は、この変容のプロセスを、文学を中心としてサブカルチャーまで領域を広げながらも、その変容を学術的・具体的に検証するものであった。中国の現在の高度成長と比較する視点が加えられ、本研究は他の研究には見られない独自なものとなった。