著者
渡邉 正彦 石川 巧 藤井 淑禎 瀧田 浩
出版者
玉川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

高度経済成長以前の状況では、一国の文化が一つの価値観に収斂されていく傾向が顕著であるが、しかし高度経済成長によりもたらされた経済的余裕を背景として、個人の価値観が多様化し、それに即した表現が様々な形で現れてくるようになり、そして、そのような状況の中で、統一感を喪失することを余儀なくされた人々が、必然的に孤独感を抱え込み、そのはけ口を表現に求めるようになる傾向が看取される。
著者
瀧田 浩 藤井 淑禎 渡邉 正彦 石川 巧
出版者
二松学舎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究の具体的な成果として、研究分担者石川巧の著書『高度成長期の文学』(2012年、ひつじ書房)がある。本書にあるように、高度成長期における大衆の欲望は不可逆に変容し、文化もこれに伴い大きく変わった。私たちの研究は、この変容のプロセスを、文学を中心としてサブカルチャーまで領域を広げながらも、その変容を学術的・具体的に検証するものであった。中国の現在の高度成長と比較する視点が加えられ、本研究は他の研究には見られない独自なものとなった。