著者
藤井 真一 海上 道雄
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.231-237, 1965-07-25
被引用文献数
1

長野県南佐久郡南牧村野辺山の東京教育大学農学部附属八ケ岳演習林で、1961年5月23日に発生した霜害について、地形・気象とカラマツ幼齢木の被害との関係を調査した。1)調査地区の南端部にある矢出川の流れの低地に強い冷気湖が発生している。この冷気が岡囲にあふれ、被害の地域を広めているものと考えられる。2)被害は、カラマツの葉や頂芽および樹皮に現われた。特に樹皮の凍傷痕は、地上20cmほどの下部に多数みられ、これが幹の全周に及ぶときは、幹の枯損を招く原因になることを認めた。3)矢出川低地に近い地域は被害激甚で、樹皮の被害が多く、霜害発生3年後には全く枯死した。その他の地域では被害程度によって生存木もあるが、その後の生長にかなりの悪い影響が現われている。
著者
藤井 真一
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.509-525, 2018 (Released:2018-10-18)
参考文献数
31

本稿の目的は、ソロモン諸島真実和解委員会の活動とガダルカナル島における在来の紛争処理に 注目して、ソロモン諸島における「エスニック・テンション」後の社会再構築過程にみられる課題、 とりわけ紛争経験の証言聴取をめぐって生じた緊張関係を解明することである。 冷戦終結後に世界各地で頻発・長期化するようになった地域紛争への対応として、真実委員会に よる修復的な紛争処理が増加している。1998年から2003年に「エスニック・テンション」と呼ばれ る地域紛争を経験したソロモン諸島国でも、2010年から2012年にかけて真実和解委員会による社 会再構築の試みがみられた。本稿では、ソロモン諸島真実和解委員会が世界的な紛争処理の動向を 受けながら外部から導入された紛争処理としての側面があることを示す。次に、ソロモン諸島ガダ ルカナル島においてみられる在来の紛争処理について述べ、真実和解委員会の証言聴取活動との競 合関係を指摘する。最後に、真実和解委員会が公聴会の場面に伝統的な贈与儀礼を導入したことを 踏まえ、在来の紛争処理について考察する。 本稿の考察から明らかになることは、以下の三点である。第一に、ソロモン諸島真実和解委員会 の中心的活動であった証言聴取について、ソロモン諸島の文化的規範と競合する問題があったこと。 第二に、証言聴取と文化的規範との競合を乗り越えるために、公聴会において贈与儀礼が執り行なわ れたこと。第三に、在来の紛争処理であるコンペンセーションを損失した財に対する補償や知識・情 報への対価として捉えるのではなく、継続的な関係構築のための手続きとして捉えるべきであること。 ソロモン諸島において真実和解委員会が証言聴取をしたことは、ローカルな規範に則った紛争処理と の間で葛藤を生じさせつつも、平和へと向かうポテンシャルを創発するものであったのだ。
著者
新里 里春 玉井 一 藤井 真一 吹野 治 中川 哲也 町元 あつこ 徳永 鉄哉
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.397-407, 1986-08-01
被引用文献数
10

The purpose of the study is to develop and to study validities and reliabilities of translated version of the Eating Attitudes Test (EAT) developed by Garner et al.1. The subjects of the study were 35 female anorexics before psychosomatic treatment (AN group) (average age 20.5±5.3,average duration 4 years). The control subjects were as follows : 26 female anorexics on psychosomatic treatment (ANDT group) (average age 21.1±6.5,average duration 3.5 years), 414 healthy female control subjects (FN group) (average age 18.8±2.4).2,20 out of 40 items were extracted by a good and poor analysis (t-test). Using the 20 items, three meaningful factors, namely food obsession (F1), dieting (F2) and phodia of obesity (F3) were factors analytically extracted.3. To study the validity of the factors and their combined EAT (EAT-20), correlational study was conducted between the scores of F1,F2,F3 and EAT-20 and clinical scales of the Kyushu University Medical Index (KMI). Followings were significant : F1 and KMI Obsessive-compulsive neurosis scale; F2 and KMI Obsessive-compulsive neurosis scale ; F1 and KMI Hypochondria scale; F1 and KMI Depression scale. A correlation between F3 and past percent maximum body weight was significant.