- 著者
 
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             岸野 光司
             
             中木 陽子
             
             小野崎 文子
             
             進藤 聖子
             
             大槻 郁子
             
             小林 美佳
             
             小幡 隆
             
             田村 光子
             
             菅野 直子
             
             藤原 慎一郎
             
             松山 智洋
             
             森 政樹
             
             小澤 敬也
             
             室井 一男
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.58, no.3, pp.456-462, 2012 (Released:2012-07-13)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 17
 
          
          
        
        
        
        ABO血液型主不適合同種骨髄移植では,溶血を防ぐためドナー骨髄液より赤血球を除去する必要がある.今回,自動細胞分離装置SEPAXTMを用いて骨髄液から単核細胞を分離し,得られた単核細胞を移植(骨髄移植)したので報告する.SEPAXは,無菌閉鎖回路で自動的に細胞処理を行う卓上型の機器である.2009年から2011年,ABO血液型主不適合のためSEPAXを用いて単核細胞を移植した骨髄移植13例を解析した.骨髄液の容量が880mlを超える場合,遠心後血漿を除き総量を880ml以下に調整した.先ず,所定のキットを装着したSEPAXを用いて骨髄液からバフィーコートを分離した.次に,SEPAXを用いてFicoll比重遠心法によって単核細胞を分離した.得られた単核細胞は,直ちに移植前処置の終わった患者に輸注された.骨髄液処理前のCD34陽性細胞数は154.6±74.1×106個,分離した単核細胞中のCD34陽性細胞数は73.6±47.8×106個,CD34陽性細胞回収率は49.1±22.8%であった.移植されたCD34陽性細胞数は,患者体重あたり1.43±0.78×106個/kg.骨髄移植後,1例は生着前に感染症で早期死亡したが,残り12例は全例生着した.SEPAXは,骨髄液からのCD34陽性細胞を含む単核細胞の分離に有用である.