著者
正岡 徹 長谷川 廣文 高久 史麿 溝口 秀昭 浅野 茂隆 池田 康夫 浦部 晶夫 柴田 昭 齊藤 英彦 大熊 稔 堀内 篤 斎藤 洋一 小澤 敬也 宇佐美 眞 大橋 靖雄
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
日本化学療法学会雑誌 (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.48, no.3, pp.199-217, 2000-03-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
29
被引用文献数
2 16

厚生省から再評価指定を受け, 重症感染症に対する静注用ヒト免疫グロブリン (以下MG) 製剤の抗生物質との併用効果を検証するため, 抗生物質単独投与を対照とした多施設共同非盲検ランダム化試験を実施した。広範囲抗生物質の3日間の投与において感染症の主要症状の改善が認められない無効例をmG群または対照群に無作為に割り付けた。割り付け日 (第1日目) より, いずれの群も抗生物質をimipenem/cilastatin (IPM/CS)+amikacin (AMK) に変更し, 7日間投与した。MG群のみにWIGを第1日目より1日59, 3日間連日併用投与した。効果は解熱に要した日数ならびに臨床症状の消失に要した日数を中心に判定した。有効性評価からの除外率は26.1% (178/682) であった。背景因子 (性, 年齢, 病態の区分, コロニー刺激因子 (以下CSF) 製剤投与の有無, 投与前アルブミン濃度, 投与前IgG濃度および好中球数の推移) に関してはすべての項目で両群間に偏りは認められなかった。Kaplan-Meier法にて推定した第7日目までの解熱率はmG群54.8%, 対照群37.2%で, IVIG群が有意に早く解熱した (一般化Wilcoxon検定: P=0.002)。同様に第7日目までの臨床症状の消失率はIVIG群57.3%, 対照群39.4%で, IVIG群が有意に早く消失した (一般化Wilcoxon検定: P=0.002)。客観的な半掟基準にもとつく「有効」以上の有効率はMG群61.5% (163/265), 対照群47.3% (113/239) でIVIG群が有意に優れていた (x2検定: p<0.001)。IVIG製剤は重症感染症に対し, 抗生物質との併用において有効であると考えられた。
著者
岸野 光司 中木 陽子 小野崎 文子 進藤 聖子 大槻 郁子 小林 美佳 小幡 隆 田村 光子 菅野 直子 藤原 慎一郎 松山 智洋 森 政樹 小澤 敬也 室井 一男
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.456-462, 2012 (Released:2012-07-13)
参考文献数
17

ABO血液型主不適合同種骨髄移植では,溶血を防ぐためドナー骨髄液より赤血球を除去する必要がある.今回,自動細胞分離装置SEPAXTMを用いて骨髄液から単核細胞を分離し,得られた単核細胞を移植(骨髄移植)したので報告する.SEPAXは,無菌閉鎖回路で自動的に細胞処理を行う卓上型の機器である.2009年から2011年,ABO血液型主不適合のためSEPAXを用いて単核細胞を移植した骨髄移植13例を解析した.骨髄液の容量が880mlを超える場合,遠心後血漿を除き総量を880ml以下に調整した.先ず,所定のキットを装着したSEPAXを用いて骨髄液からバフィーコートを分離した.次に,SEPAXを用いてFicoll比重遠心法によって単核細胞を分離した.得られた単核細胞は,直ちに移植前処置の終わった患者に輸注された.骨髄液処理前のCD34陽性細胞数は154.6±74.1×106個,分離した単核細胞中のCD34陽性細胞数は73.6±47.8×106個,CD34陽性細胞回収率は49.1±22.8%であった.移植されたCD34陽性細胞数は,患者体重あたり1.43±0.78×106個/kg.骨髄移植後,1例は生着前に感染症で早期死亡したが,残り12例は全例生着した.SEPAXは,骨髄液からのCD34陽性細胞を含む単核細胞の分離に有用である.
著者
小澤 敬也
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.9, pp.2062-2073, 2014-09-10 (Released:2015-09-10)
参考文献数
17