著者
藤原 直樹 制野 勇介 八坂 有起 関 裕美子
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.301-305, 2016-05-01 (Released:2016-05-02)
参考文献数
20

【目的】小児集中治療専従医配置による診療体制の変化と患者予後との関連を検討した。【方法】当院PICUは2010年度に小児集中治療専従医による診療が導入された。前後2年間の全入室患者を対象とし,後方視的コホート研究を施行した。【結果】前期520名,後期591名が対象となり,重症児集約化の傾向が増した後期の重症度スコア(pediatric index of mortality 2,PIM2)は有意に高かった(P<0.001)。多変量解析の結果,小児集中治療専従医の存在と低いPICU死亡率との間に有意な関連が認められた[OR 0.36(95%CI 0.15~0.89),P=0.026]。PICU入室期間の短縮および侵襲的人工呼吸管理日数の減少においても,小児集中治療専従医の存在が関与していた。【結論】小児集中治療専従医配置が患者予後を含む臨床的アウトカム改善に寄与した。
著者
岸本 直之 古田 世子 藤原 直樹 井上 栄壮 馬場 大哉 武井 直子
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.69-75, 2023 (Released:2023-05-10)
参考文献数
29

マシジミ (Corbicula leana) と推定される琵琶湖産淡水シジミのろ水速度および呼吸速度の水温, 溶存酸素 (DO) 濃度依存性を実験や文献調査を通して明らかにし, その生育可能条件を評価した。殻長14.9 ± 1.2 mmの成貝を用いた実験の結果, ろ水速度は水温およびDO濃度に依存した。水温影響は高温阻害を有する指数型影響関数で表現でき, 至適水温は20.8 ℃であった。ろ水速度が低下し始める限界DO濃度は2.6~4.0 mg L-1の範囲にあった。琵琶湖南湖湖底直上における平均餌濃度を3 mg-C L-1と仮定した場合, DO濃度 ≥ 4 mg L-1の条件で成長可能な温度域は12.1~26.6 ℃と評価された。湖沼温暖化により水温が1 ℃上昇すると年間成長量は0.005~0.01 g-C y-1 個体-1低下すると推定され, 湖沼温暖化が琵琶湖におけるシジミの生育に負の影響を与えることが明らかとなった。
著者
高岡 昭生 岩切 浩 藤原 直樹 石川 延男
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1985, no.11, pp.2161-2168, 1985-11-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
17
被引用文献数
11

ヘキサフルオロプロペンはジアルキルアミンと発熱的に反応して付加体のα,α-ジフルオロアルキルアミンと置換体のeα-フルオロエナミンとの混合物を生成するが,このHFP-R2NH(またはHPDA)試薬はアルコールおよび力ルボン酸の良好なフッ素化剤であることがわかった。この試薬はクロロトリフルオロエテンにジエチルアミンを作用して得られるFAR(またはYarovenko試薬)よりも合成が容易でかっはるかに安定で貯蔵性に優れていた。さらにHFP-R2NH試薬にアミン類を反応させると,N2-アリール(またはアルキル)-2,3,3,3,-テトラフルオロプロピオンアミジン類が得られた。また2-アミノフェノール,o-フェニレンジアミン,2-アミノチオフェノールおよび2-アミノベンズアミドなどのオルト二官能性ベンゼン誘導体にHFPEt2NH試薬を作用させると対応する2-(1,2,2,2-テトラフルオロエチル)-置換ベンゾオキサゾール,ベンゾイミダゾール,ベンゾチアゾールおよび2-(1,2,2,2-テトラフルオロエチル)-4(3H)-キナゾリノンなどが容易に合成できた。そのう,え,HFP-R2NH試薬は尿素類と反応させるとNl,Ni-ジアルキル-N2-カルバモイル-2,3,3,3-テトラフルオロブロピオンアミジンが得られ,これをアルコキシドで閉環させ6-アルコキシ-1-アルキル-5-フルオロシトシン類を得ることができた。