- 著者
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坪井 義夫
藤岡 伸助
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.104, no.8, pp.1578-1584, 2015-08-10 (Released:2016-08-10)
- 参考文献数
- 27
- 被引用文献数
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Parkinson病(Parkinson's disease:PD)患者は中期から進行期にかけて救急受診,入院加療の頻度が増加する.原因は全身合併症,外傷あるいはPD症状の悪化など様々であるが,薬物療法の理解が不十分な場合に,重篤な状態に陥る可能性がある.手術の必要な場合,周術期にも合併症やPD症状の悪化を呈する頻度が高い.特にドパミン系治療の急な中断による悪性症候群類似のParkinsonism-hyperpyrexia syndromeは重症化しやすく,早期の診断,対処が必要である.神経内科医,救急医はPDの救急診療,周術期管理に習熟しておくことが望まれる.