著者
藤本 佳子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.253, 2003

目 的 前年度の発表に引き続き、本研究では、永住の場所としてのマンションにおいて、マンションにおける高齢期に向けての安全な住生活をすごすための方策を検討するために事例調査を行った。方 法 バリアフリータイプの大阪府にある建築後6年から8年経過した、5階建て8棟の団地を形成している各棟29戸から85戸の計480戸の事例である。居住者全員を対象とした。調査内容は、住民同士のふれあいの企画内容と参加および協力度、高齢者にとって望ましい住生活の内容、高齢期による社会的サポート等の周知状況である。各戸訪問配布回収し、不在住戸は郵送で回収した。配布数405件、回収数134件、回収率33%であり、調査時期は、2003年1月7日から24日である。結 果 住戸概要は、3LDKが66%、4LDKが27%、2LDKが5%で、住戸専有床面積は、80m<sup>2</sup>~100m<sup>2</sup>であり、平均95m<sup>2</sup>である。調査回答者は、区分所有者が95%で、男42%女54%である。40代が33%、30代が25%、50代が22%の順に多い。住民ふれあいのための企画参加の希望が多いのは、「祭り」、「ニューイヤーコンサート」であり、企画協力のできるのは「祭り」、「お年寄りの手伝い」と回答している。「「作品展」の参加希望が比較的多く見られたのは、昨年11月に開催されたことが影響していると考えられる。
著者
楢崎 正也 藤本 佳子 谷口 浩司 柏原 士郎 横田 隆司 鈴木 克彦
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

阪神・淡路大震災において被災した分譲マンションの復興過程に関して平成9年度から継続して行ってきた調査結果の分析を行い、最終結果としてまとめる作業を行った。これまでの調査結果を一度展開した上で、被災からの時間経過に伴った以下のストーリーで集約し直し、それぞれの項目に関して、調査結果に基づく分析・検討を行った。1.マンションの被災状況2.震災後の居住者の対応行動3.被災マンションの復興過程における事例4.マンション復興における法的諸問題5.被災マンションの管理組合の対応6.被災マンションに対する管理組合の対応7.復興過程における住民の合意形成過程とコンサルタント・設計事務所の役割8.復興過程における住民の合意形成過程とまちづくり協議会9.建替えマンションの建物状況と居住者の生活実態10.被災マンションの復興再生方策特に、本研究の着目している「合意形成過程」に関しては、管理組合自身での合意形成過程の調査のみならず、そこに係わっていたコンサルタント・設計事務所・住民組織への聞き取り調査を行い、行政との橋渡しなど様々な側面でのその役割が大きかったことを明らかにした。また、平成10年度までの研究で不十分であった項目に関する今年度の補足調査としては「9.建替えマンションの生活実態」を行い、震災から5年が経過した現状での生活実態について明らかにした。