317 2 0 0 OA 運動と免疫

著者
鈴木 克彦
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.31-40, 2004 (Released:2004-04-27)
参考文献数
59
被引用文献数
1

適度な運動は免疫能を高め,感染症や癌の予防に有効とされる一方,激しい運動やトレーニングは免疫能を弱め,炎症やアレルギーを助長するとされる.これらの機序については,激しい運動やトレーニングに伴い血中 NK 細胞・ T 細胞の数や機能,分泌型 IgA の唾液濃度などが一過性に低下し,免疫抑制作用のあるストレスホルモンや抗炎症性サイトカインが分泌され,易感染性につながると考えられている.一方,激運動に伴い好中球・単球が動員され活性酸素の産生が高まり,炎症反応や酸化ストレスを引き起こすが,適切な栄養・休養に加え,抗酸化物質等のサプリメントの使用によりこれらの反応を制御できる可能性が示されつつある.また,適度な運動習慣がストレスや感染に対する抵抗力(防衛体力)を強化するという科学的根拠が集積されつつある.本稿では予防医学・補完代替医療の適用の是非を念頭に置いて,運動免疫学分野の最新の研究成果を紹介する.
著者
井澤 修平 城月 健太郎 菅谷 渚 小川 奈美子 鈴木 克彦 野村 忍
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.91-101, 2007 (Released:2007-10-19)
参考文献数
78
被引用文献数
30 22

近年,疾病予防などの観点からストレスの評価法に注目が集まっている.本稿では唾液を用いたストレス評価について概説した.人の唾液には様々なストレス関連物質が存在することがわかっており,非侵襲的なストレス評価法として利用できる可能性が考えられる.唾液採取,検体の取り扱い,測定などの基本的事項を紹介し,唾液より測定可能な 7 つの物質(コルチゾール,デヒドロエピアンドロステロン,テストステロン,クロモグラニン A,3-メトキシ-4-ハイドロキシフェニルグリコール,α アミラーゼ,分泌型免疫グロブリン A)の各種ストレスとの関連や使用の際の留意点を概観した.最後に目的や状況に応じた唾液によるストレス評価の方法や今後の課題について述べた.
著者
鈴木 克彦
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学教育学部附属中高等学校紀要 (ISSN:03874761)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.78-94, 1991-08-15

世界27ヵ国の91人へのアンケート調査をもとに日本の学校数育における生徒指導との違いを比較研究した。その結果、西洋個人主義にもとづく生徒指導との大きな相違点やアジア各国の生徒指導とのいくつかの共通点を見いだした。また、日本の生徒指導を見る各国人の「目」には興味深い意見を得ることができた。今後、国際化をめぎした学校教育を行なう揚合、参考となることが多々あると思われる。
著者
鈴木 克彦 秋本 崇之
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.69-74, 2012 (Released:2012-10-24)
参考文献数
32
被引用文献数
1

近年の microRNA (miRNA) の発見と,血中に miRNA が安定に存在しているという知見は,バイオマーカーとしての miRNA の可能性を示した.さらに最近,血中に分泌された miRNA が他所にて遺伝子発現を抑制しうると報告されるに及び,従来のホルモンやサイトカインを中心とした細胞間情報伝達の概念は大きく変更を余儀なくされる可能性がある.そこで本総説では,血中 miRNA の種類や機能について概説し,バイオマーカーとしての miRNA に関する最新の知見をまとめ,身体運動の影響を含めたストレス負荷条件における変化や予測される機能に関して概説する.
著者
井澤 修平 城月 健太郎 菅谷 渚 小川 奈美子 鈴木 克彦 野村 忍
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.91-101, 2007
被引用文献数
17 22

近年,疾病予防などの観点からストレスの評価法に注目が集まっている.本稿では唾液を用いたストレス評価について概説した.人の唾液には様々なストレス関連物質が存在することがわかっており,非侵襲的なストレス評価法として利用できる可能性が考えられる.唾液採取,検体の取り扱い,測定などの基本的事項を紹介し,唾液より測定可能な 7 つの物質(コルチゾール,デヒドロエピアンドロステロン,テストステロン,クロモグラニン A,3-メトキシ-4-ハイドロキシフェニルグリコール,α アミラーゼ,分泌型免疫グロブリン A)の各種ストレスとの関連や使用の際の留意点を概観した.最後に目的や状況に応じた唾液によるストレス評価の方法や今後の課題について述べた.<br>

4 1 0 0 運動と免疫

著者
鈴木 克彦
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.31-40, 2004
被引用文献数
3

適度な運動は免疫能を高め,感染症や癌の予防に有効とされる一方,激しい運動やトレーニングは免疫能を弱め,炎症やアレルギーを助長するとされる.これらの機序については,激しい運動やトレーニングに伴い血中 NK 細胞・ T 細胞の数や機能,分泌型 IgA の唾液濃度などが一過性に低下し,免疫抑制作用のあるストレスホルモンや抗炎症性サイトカインが分泌され,易感染性につながると考えられている.一方,激運動に伴い好中球・単球が動員され活性酸素の産生が高まり,炎症反応や酸化ストレスを引き起こすが,適切な栄養・休養に加え,抗酸化物質等のサプリメントの使用によりこれらの反応を制御できる可能性が示されつつある.また,適度な運動習慣がストレスや感染に対する抵抗力(防衛体力)を強化するという科学的根拠が集積されつつある.本稿では予防医学・補完代替医療の適用の是非を念頭に置いて,運動免疫学分野の最新の研究成果を紹介する.<br>
著者
桜井 良太 藤原 佳典 金 憲経 齋藤 京子 安永 正史 野中 久美子 小林 和成 小川 貴志子 吉田 裕人 田中 千晶 内田 勇人 鈴木 克彦 渡辺 修一郎 新開 省二
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.352-360, 2011 (Released:2011-10-12)
参考文献数
30
被引用文献数
6 5

目的:温泉は古くから治療目的などにも用いられてきたが,温泉施設を高齢者に対する健康増進を目的とした介入事業の拠点として用いる有効性について検討した研究は極めて少ない.そこで我々は,運動・栄養指導,温泉入浴からなる複合介入プログラム"すぷりんぐ"を開発し,その効果を無作為化比較試験によって検討した.方法:65歳以上の特定健診該当者を対象に公募により本プログラムへの参加者を募集した.68名が事前調査に参加し,60名(72.7歳±6.0)がプログラムへの参加に同意した.参加者を無作為に介入群31名と対照群29名の2群に割付け,交差法により前期に介入群,後期に対照群に対して複合介入プログラムを3カ月間(週2回,90分)実施した.介入群プログラム終了時(3カ月後:第2回調査)と対照群プログラム終了時(6カ月後:第3回調査)に調査を実施し,プログラムの短期・長期的効果の検討を行った.結果:介入に起因した傷害,事故の発生はなく,介入群の平均プログラム出席率は76%であった.性・年齢・BMIを調整した一般線型モデルの結果,第2回調査時には対照群に比べ,介入群の握力と開眼片足立ちに有意な改善が認められた(各々p =0.028,p =0.003).また,第3回調査において,介入直後に確認された握力と開眼片足立ちの有意な改善の維持が認められ(各々p =0.001,p =0.024),改善傾向が見られたWHO-5の有意な維持・改善が示された(p =0.027).交差後の対照群の介入プログラム出席率も平均81%と比較的高く,対照群への介入時においても傷害,事故の発生は確認されなかった.結論:温泉施設を活用した複合的介入プログラムである"すぷりんぐ"は身体機能を中心とした高齢者の健康増進に寄与するプログラムであることが示された.また,その継続的効果とプログラムの出席率・安全性が確保されていることから,温泉施設を高齢者に対する健康増進を目的とした介入事業の拠点とする意義は高いものと考えられる.
著者
石井 佑果 鈴木 克彦 齋藤 麻梨子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
巻号頁・発行日
pp.Ab0706, 2012 (Released:2012-08-10)

【はじめに、目的】 膝蓋骨亜脱臼の運動療法として内側広筋(VM)の選択的強化が必要であるとされており,大腿四頭筋セッティング(セッティング)が広く行われている。通常は背臥位または長坐位で行われているが,立位で股関節内転筋の等尺性収縮を同期したセッティングによりVMの筋活動量の増加することが報告されている。また,足関節を回内位および回外位とした立位セッティングによりVMの収縮効果が変化することが報告されているが,一定の見解が得られていない。今回,足関節回内・回外位とした立位セッティングのVM収縮効果を調べるために,他のセッティング方法での筋活動量と比較することを目的とした。【方法】 対象は,健常女性10名(年齢20.9±1.1歳)とした。セッティング課題は,1背臥位でのセッティング,2立位でのセッティング,3立位で股内転を同期したセッティング(立位ADD),4足関節回外位の立位で股内転を同期したセッティング(立位ADD+EXT),5足関節回内位の立位で股内転を同期したセッティング(立位ADD+INT)の5条件とした。全ての課題は,膝関節30°屈曲位を開始肢位とし膝伸展および股内転の3秒間の最大等尺性収縮を3回行うこととした。3~5の課題で行う股内転には直径15 cmのボールを使用した。4,5の課題は傾斜角10°の楔状板の上に足底を置いて行った。なお,課題間には少なくとも3分間の休憩時間を設定した。筋活動はVM,大腿直筋(RF),外側広筋(VL),大内転筋(AM)から表面筋電図を記録した。筋電図波形は全波整流後100ミリ秒で移動平均処理を行い,3秒内の最大値を計測し,3回の平均を測定値とした。課題1の測定値を100%として正規化し,2~5の課題間,課題内の各筋活動量の比較,VM/VL,VM/RF,VL/RFの比率を各課題間で比較した。被験者情報として,膝関節伸展角度,Q-angle,Laxity testを事前に計測した。統計はShapiro-Wilk検定後,課題間および課題内の筋活動量,比率の差の検定を反復測定分散分析および多重比較検定,Pearsonの相関を用いて行った。有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 被験者には本研究の目的と方法を十分説明し,参加の同意を得たうえで行い,被験者には不利益が生じないよう配慮した。【結果】 背臥位SETに対する3つの立位セッティングにおいて,RF,VL,VMの筋活動量は課題間で差はみられなかった。AMの筋活動量は立位ADD+EXTが最も高値を示し(p<0.01),VMとAMの間に正の相関(r=0.838)が示された(p<0.01)。課題間でのVM/VL,VM/RF,VL/RFの比率には差はみられなかったが,VM/VL比,VM/RF比が立位ADD,立位ADD+EXTで高値を示す傾向がみられた。【考察】 立位セッティングにおいてVMの筋活動量はRFに比べ有意に低値を示した。しかし,股内転を同期させた他の3課題ではRFとVMの筋活動量に差は認められなくなり,VM/VL比、VM/RF比が立位セッティングに比べて他の3課題で高値を示す傾向がみられた。VMは斜頭と長頭に分岐し斜頭はAMと連続性があり,AMの収縮によりVMの筋収縮を増大させたと推察する。今回,立位ADD+INTが立位セッティングの中でVMの収縮が低下する傾向を示した。それは,足関節回内位の足底接地では膝関節外反応力が増大し,Q-angleを増加させることが報告されており,立位ADD+INTによりQ-angleの増大に作用し,RFとVLの筋活動が優位となり,VM活動量,VM/VL比,VM/RF比が低値を示したと考える。今回,立位ADD+EXTのみVMとAMの筋活動量に正の相関を認め,AMの筋活動量が高値を示す傾向がみられた。これは,Hodgesら,Hantenらが報告している,AMの筋放電が大きくなるに従いVM/VL比が増大する内容と一致しているといえる。以上より,足関節回外位で股内転筋を同時収縮させる立位セッティングが,VMを選択的にトレーニングできる可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】 膝蓋骨亜脱臼だけでなく,膝関節靭帯損傷,変形性膝関節症などにおいても内側広筋の筋萎縮,筋力低下に陥る症例があり,大腿四頭筋セッティングは運動療法の中で広く応用されている。立位でのセッティングはCKCトレーニングとして有用であり,立位セッティングとして内転筋同時収縮,加えて足関節を回外位とする方法の有効性を示すことができた。
著者
佐藤 英樹 鈴木 克彦 中路 重之 菅原 和夫 戸塚 学 佐藤 光毅
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.431-440, 1998-07-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
35
被引用文献数
12 13

We investigated the effects of acute endurance exercise and habitual physical activity for health maintenance on human neutrophil function in 12 untrained men. The acute exercise condition was a continuous exercise for 90 minutes at the intensity of 50% and 55% of maximal oxygen uptake (VO2max) on an ergometer. The training program was 3km jogging three times per week for 8 weeks. The capacity of neutrophils to produce reactive oxygen species (ROS) was detected with lucigenin-dependent chemiluminescence (LgCL) and luminol-dependent chemiluminescence (LmCL) on stimulation with opsonized zymosan (OZ) and phorbol myristate acetate (PMA).As for the acute exercise effects, both LgCL and LmCL responses of neutrophils stimulated using PMA consistently increased after exercise at 50% VO2max, whereas those stimulated with OZ remained unchanged. At 55% VO2max, LgCL responses to both stimulants increase maximally 1h after exercise, and then decreased 3h after exercise, whereas LmCL responses to both stimulants increased continuously after exercise at 55% VO2max. These phenomena observed at 55% VO2max compared to 50% VO2max suggests the improved capacity of producing ROS neutrophils after exercise. The number of neutrophils also increased maximally 1h after exercise, due to the mobilization of band neutrophils (shift to the left), suggesting that functional changes was associated with cell mobilization. The increase in the capacity of neutrophils to produce ROS and marked neutrophilia following the acute endurance exercise suggests that a large quantity of ROS may be produced in vivo.As for the training effects, the LgCL and LmCL responses were maintained in the exercise group as compared to the decreased ones in the control group. The difference between the exercise group and the control group was observed only in LgCL response to OZ. Humoral immune factors (IgG, IgA, IgM, C3, C4) and serum opsonic activity were also unaltered. These phenomena suggest that homeostasis might be kept constant in terms of immunity through regular physical activity.
著者
鈴木 克彦 伊橋 光二 南澤 忠儀 百瀬 公人 三和 真人
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
巻号頁・発行日
pp.552, 2003 (Released:2004-03-19)

【はじめに】 膝関節(脛骨大腿関節)の回旋運動は,下肢全体の回旋運動には必要不可欠である。しかしながら,膝回旋可動域はゴニオメーターを用いて計測するのは極めて困難である。現在明らかにされている計測方法は,超音波,レントゲン,CTを用いたものであり,簡便な方法は明らかにされていない。本研究の目的は,解剖学的標点を基に,臨床で有用かつ簡便な方法としてdeviceを用いた膝回旋ROM計測の方法を試み,定義されている股関節の回旋ROを参考にして,左右差から検討したので報告する。【対象と方法】 対象は下肢に何らかの障害や既往のない健常成人34名(男性16名,女性18名),平均年齢20.5歳である。膝回旋ROMの計測は,VICON clinical managerで使用するKnee Alignment Deviceを大腿骨内外側上顆および脛骨・腓骨の内外側果に貼付した。被験者は膝関節90°屈曲した腹臥位となり,1名の理学療法士が他動的に内外旋させ,下腿長軸延長線上からデジタルカメラを用いて記録した。記録した画像はPCに取り込み,内旋および外旋時の大腿骨内外側上顆を結ぶ線と脛骨・腓骨の内外側果を結ぶ線のなす角度を1°単位で計測した。股関節の回旋ROMは,股・膝関節を90°屈曲した背臥位でゴニオメーターを用いて1°単位で計測した。統計学的検定は相関係数の検定を用い,危険率5%を有意水準とした。【結果】 被験者34名,68関節における股関節の内外旋の合計ROMの平均(SD)は,右86.8°(10.8°),左88.5°(9.1°)であり,左右のROMの間に強い相関関係が認められた(p
著者
鈴木 克彦 佐藤 英樹 遠藤 哲 長谷川 裕子 望月 充邦 中路 重之 菅原 和夫 戸塚 学 佐藤 光毅
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.451-460, 1996-08-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
42
被引用文献数
2 1

スポーツ選手を対象として, 最大運動負荷に伴う白血球分画と好中球活性酸素産生能の変動を検討したところ, 以下の知見が得られた.1.運動直後に総白血球数が一過性に2倍程度上昇したが, これはリンパ球, 好中球および単球の数的増加によるものであった.好中球数は運動終了1時間後でも上昇した状態にあったが, 核左方移動は認められず, かつ分葉核好中球数の変動と相関が強かったため, 壁在プール由来の好中球動員であったと考えられる.2.リンパ球のなかでLGL (NK細胞) は運動直後に6倍も上昇しており, 終了1時間後には半減した.このようなリンパ球の数的・構成的変動が各リンパ球の機能を測定する上で誤差要因とならないように注意する必要がある.3.ルミノール依存性化学発光法を用いて単離好中球の活性酸素産生能を検討したところ, 刺激物質として貪食粒子のOZを用いた場合のみならず可溶性のPMAを用いた場合にも運動負荷に伴い有意に上昇し, かつ両者の変動には正相関が認められたことから, 単一機序で発光が増強したものと推察される.ルミノール依存性化学発光の反応機構から, 好中球の刺激に伴う脱顆粒能亢進によってMPOを介して強力な活性酸素種 (HOCl) が効率的に産生されやすくなることが示唆された.短時間の運動であっても極端に強度が高い場合には, 毒性の高い活性酸素種を生成しやすい好中球が血中に増加し, リンパ球の機能抑制や筋の炎症等の組織傷害作用を発現する可能性があり, 今後その体内動態をめぐっては, さらに踏み込んだ検討が必要である.
著者
永瀬 外希子 伊橋 光二 井上 京子 神先 秀人 三和 真人 真壁 寿 高橋 俊章 鈴木 克彦 南澤 忠儀 赤塚 清矢
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.G0428, 2008

【目的】理学療法教育において客観的臨床能力試験(OSCE)の中に取り入れた報告は散見されるが、多くは模擬患者として学生を用いている。今回、地域住民による模擬患者(Simulated Patient以下SPと略)の養成に取り組んでいる本学看護学科(山形SP研究会)の協力を得、コミュミケーションスキルの習得を目的とした医療面接授業を実施した。本研究は、効果的な教育方法を検討するために、授業場面を再構成し考察することを目的とする。 <BR>【対象と方法】面接授業は、本学理学療法学科3学年21名を対象とし、臨床実習開始2週間前に行った。山形SP研究会に面接授業の進行と2名のSPを依頼し、膝の前十字靭帯損傷患者(症例A)、脊髄損傷患者(症例B)のシナリオを作成した。事前打合せや試行面接を行い、シナリオを修正しながらより実際の症例に近い想定を試みた。学生に対しては、授業の1週間前に面接の目的、対象症例の疾患名、授業の進行方法についてオリエンテーションを行った。面接授業実施30分前に詳しい患者情報を学生に提示し、4つに分けたグループ内で面接方法戦略を討論する機会を設けた。症例A・BのSPに対し、各グループから選出された学生が代表で10分間の面接を行い、それ以外の学生は観察した。それぞれの面接終了後に、面接した学生の感想を聞き、その面接方法に関して各グループで20分間の討論を行った。この面接からグループ討論までの過程を各症例につき交互に2回ずつ合計4回行い、全体討論としてグループごとに討論内容を発表し合った。最後に、SPおよび指導教員によるフィードバックを行った。<BR>【結果と考察】今回の医療面接の特徴は、第一点が情報収集を目的とするのではなく、受容的、共感的な基本的態度の習得を目的としたこと、第二点はトレーニングを受けている初対面のSPを対象としたこと、第三点は代表者による面接後グループごとに討論する時間を設定したことである。理学療法場面における医療面接では、医学的情報収集が中心となる傾向にある。今回の学習目的は、初対面の患者の話を拝聴し信頼関係を築くこととした。これにより、SPの訴えや思いなどを丁寧に聞いている学生の姿勢が認められた。また、初対面のSPとの面接を導入したことで、より臨場感あふれた状況の中で、学生が適度な緊張感を持って対応している場面が認められた。一巡目の面接では、SPに対して一方的に質問する場面が多くみられたが、二巡目ではSPが答えた内容に対して会話を展開させていく場面が際立った。これは、初回の面接終了後の討論により、面接者自身の反省や第三者の視点から得られた新たな方策を、次の面接に生かすことができたためと推測される。理学療法教育にSP参加型医療面接を導入することは、コミュニケーションスキルの向上を図るうえで有効な教育方法であると考えられる。 <BR>
著者
吉田 節朗 原田 忠 上坂 佳敬 浅沼 義博 鈴木 克彦 丹羽 誠 伊藤 正直 小山 研二 櫻田 徹 阿部 忠昭 宮形 滋
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.882-890, 1989

術後肝不全9例に対する血漿交換療法を検討した.血漿交換奏効例に共通する特徴としては,1) T. Bilが血漿交換開始時15mg/dl以下で7日目7mg/dl以下,2)アンモニアが血漿交換開始時200mg/dl以下で7日目正常域,3) BCAA/AAAの改善,4)プロトロンビン時間14秒以内,5)臓器不全は2臓器以下,6)昏睡度改善,7)血漿交換回数5回以内の7点が挙げられた. <BR>本法の施行にあたっては,T. Bil,昏睡度を指標とし,できるだけ早期に開始することが重要であるが,効果の判定については,T. Bil,アンモニア,BCAA/AAA, PT,不全臓器数,昏睡度,血漿交換施行回数,術前肝障害などの因子を総合的に判断する必要がある.著者は施行開始後7~10日目に上記パラメーターの改善が得られなければ血漿交換はいたずらに継続すべきではないと考える.
著者
永瀬 外希子 伊橋 光二 井上 京子 神先 秀人 三和 真人 真壁 寿 高橋 俊章 鈴木 克彦 南澤 忠儀 赤塚 清矢
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.G3P1572, 2009

【はじめに】我々は第43回日本理学療法学術大会において、地域住民による模擬患者(Simulated Patient以下SPと略)を導入した医療面接の演習授業の紹介を行った.今回、授業後に行った記述式アンケートを通して、SP参加型授業による教育効果を検討したので報告する.<BR>【対象】対象は本学理学療法学科3学年21名で、本研究の趣旨と目的を説明し、研究への参加に対する同意を得た.<BR>【方法】医療面接の演習目的はコミュニケーションスキルの習得とした.演習方法は2症例のシナリオを作成し、2名のSPに依頼した.学生には1週間前に面接の目的と進め方、症例の疾患名を提示した.さらに面接30分前に症例の詳しい情報を提示した.グループを4つに分け、面接方略の討論後、各グループの代表者1名がSPと面接を行い、それ以外の学生は観察した.1回の面接時間は10分以内とし、面接後、学生間のグループ討議、SPならびに教員によるフィードバックを行った.演習終了後、授業に参加した学生を対象に、授業を通して学んだことや感じたことについて自由記載による記述式アンケート調査を行った.得られた記述内容を単文化してデータとし、内容分析を行った.得られた127枚のカードから3名の教官が学生の学びに関するカードを抽出し、同じ内容を示すカードを整理しサブカテゴリー化した.その後さらに関連のあるカードを整理してカテゴリー化し、それぞれの関係性について検討した.<BR>【結果と考察】「学び」に関与すると判断されたカードは40枚であった.それらを分析した結果、「SPと自分との乖離」、「自分自身の振り返り」、「基本的態度の獲得」、「対応技術の習得」の4カテゴリーが抽出された.「SPと自分との乖離」は、「表出されない相手の思い」、「思いを知ることの難しさ」のサブカテゴリーで構成されていた.また「自分自身の振り返り」は「基本的なコミュニケーションスキルの知識不足」、「疾患についての知識不足」、「話を発展させる技術不足」、「質問攻めの一方的なコミュニケーション」、「基本的態度の獲得」は「傾聴的な態度」、「共感的態度」、「相手を分かりたいという思い」、「対応技術の習得」は「患者をみる視点・観点」、「目をみて話すことの大切さ」、「相手に合わせた関わり方」のサブカテゴリーから構成された.これらの結果より、SPからのフィードバックを通して、SPと自分の感じ方や捉え方の違いや、言葉では表出されない思いがあることに気付き、それらを理解することの難しさを実感するとともに、学生自身の不足している点を認識したことがわかった.そして、相手と信頼関係を築くためには、相手を思い、傾聴し、共感するなどの基本的態度の大切さに加え、目をみて話すことや相手に合わせた関わり方などの対応技法の習得も必要であることを学んでいた.
著者
稲 恭宏 町田 和彦 鈴木 克彦 塚本 和正
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.1077-1089, 1994
被引用文献数
1

The effects of voluntary running exercise on health indexes in rats were studied before and after Sheep Red Blood Cell (SRBC)-induced inflammation. Male Fischer rats (SPF) 8 weeks of age were housed in individual sedentary cages (sedentary group) or in individual wheel-running cages (exercise group) for 4 months. Then all rats were injected with 20% SRBC (0.5ml/100g body weight) i. p.<br>Voluntary running activity averaged 1408m/day, reached a peak (2913m/day) at the 25th day and waned over time, reaching a plateau at the 60th day (about 1000m/day).<br>In spite of a significant increase in food intake (117%), exercising rats gained significantly less weight (93%) than sedentary rats at all times in experimental period. The exercise group also showed a significant decrease in the value of serum triglyceride (TG) and total cholesterol (T. CHO) (TG p<0.0002, T. CHO p<0.03).<br>The hematocrit (Ht) and hemoglobin concentration (Hb) were higher in the exercised rats, and at 4 days after i. p. SRBC, the difference became statistically significant (Ht p<0.0002, Hb p<0.003). Thus, protective effects against the decrease of Ht and Hb were demonstrated in the exercised group.<br>Perhaps this inflammation did not impair liver function severely; sedentary rats had normal or slightly higher levels of GOT and GPT. On the other hand, exercised rats had lower GOT and GPT. Significant differences were found between the groups (GOT, GPT p<0.0001).
著者
鈴木 克彦 町田 和彦 刈屋 美枝子 有倉 恵子 稲 恭宏 塚本 和正
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.145-154, 1993
被引用文献数
3 2

A study was conducted to evaluate the chronic effects of regular physical activity on nonspecific and specific immune responses. Male Fischer rats (SPF) exercised voluntarily on running wheels for 4 months, and were then injected intraperitoneally with sheep red blood cells (SRBC), followed by measurement of the host defense functions at -2 d, 3h, 24h and 4 d of antigen stimulation. The following results were obtained:<BR>1) The ability of circulating neutrophils to produce superoxide measured by the spontaneous NBT test showed an earlier and higher (p<0.05) rise after SRBC injection in the exercise group, suggesting that neutrophils were activated <I>in vivo</I> more promptly against foreign-body invasion. This might reflect a priming response of neutrophils at the early phase of SRBC-induced host defense reactions modulated by the previous regular exercise.<BR>2) The ability of neutrophils to produce superoxide in response to <I>in vitro</I> stimulation with <I>Staphylococcus aureus</I> 209 P was markedly reduced during inflammatory response in the sedentary group, whereas that in the exercise group was maintained at a constant level. The value at 4 d after SRBC injection in the sedentary group was decreased to more than 20% below the baseline (p<0.02) . In addition, a significantly (p<0.02) lower value than that in the exercise group was shown, although phagocytic activity was similar in the two groups. This suggested that neutrophil bactericidal activity was decreased in the sedentary group.<BR>3) Plasma IgG levels in the exercise group were consistently and significantly (p<0.0001) higher by about 30% than those in the sedentary group, regardless of SRBC injection. This suggested an enhanced host defense status by regular exercise.<BR>4) The specific humoral immune response to SRBC injection was assessed in terms of hemagglutination and plasma IgM levels, but no significant differences were shown between the groups.
著者
林田 はるみ 志村 まゆら 菅間 薫 神田 和江 鈴木 克彦
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.125-128, 2010 (Released:2010-10-15)
参考文献数
6
被引用文献数
5 5

月経周期と持久性運動による酸化ストレス指標の変動について,非侵襲的に採取できる唾液を用いて検討した.健常女性 7 名を対象に,月経周期各期の安静時の酸化ストレスを測定し,さらに持久性運動時の酸化ストレスの変動を卵胞期と黄体期に評価した.持久性運動は無酸素性作業閾値 (AT) 基準の自転車エルゴメータ運動を 60 分間実施し,30 分毎に計 5 回唾液を採取した.唾液サンプルを使用して,酸化還元電位 (ORP) と女性ホルモン濃度を測定した.ORP を指標とした安静時の酸化ストレスは月経期が最も高く,中等度強度の持久性運動では黄体期と比較して卵胞期において酸化ストレスが有意に上昇した.唾液の酸化ストレス指標が月経周期と持久性運動によって変動することが示唆された.