著者
藤森 弘子 前田 真紀
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.102-103, 2015-03-28

In order to develop academic Japanese abilities in students on the Japanese Language Program at Tokyo University of Foreign Studies (JLPTUFS), teaching materials based on can-do list are being developed. The can-do list indicates learners' proficiency and skills of academic Japanese. This paper examines how a textbook with a task-based syllabus based on can-do list that we are developing can be applied in a beginners' classroom. In this presentation, we will report the procedure of task-based activities used and discuss the effectiveness of a task-based syllabus.
著者
藤森 弘子
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.144, pp.73-84, 2010 (Released:2017-04-15)
参考文献数
18

国際交流基金(2008)によれば,世界における日本語教育上の一番の問題点は「適切な教材の不足」だという。教員養成における「教育実習」では,既に日本語教育の多様化に対応するための取り組みや成果に関する報告が多数なされているが,教材不足問題を解決できるような人材の養成に着目した事例はまだ少ないと思われる。本稿では,「教材研究」において協働作業とピア評価を取り入れた授業実践を紹介し,受講者のアンケート評価をもとにその意義と問題点を考察した。その結果,ペア協働作業で行った教科書分析と,日本人学生と留学生との協働作業に対する評価が最も高かった。アンケート記述の内容分析からは,互いに協働することの意義に気づき,ピア評価によってより深く教材を観察・分析する意識が高くなっていることがわかった。これらは教材研究の専門的力量の形成につながっていくと思われる。教員養成では,このような活動主体で協働作業を取り入れた授業が有効に働くのではないかと言える。