著者
宇津木 光克 松崎 晋一 蜂巣 克昌 矢冨 正清 久田 剛志 山田 正信 土橋 邦生 丸田 栄
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.73-77, 2016-04-30 (Released:2016-04-25)
参考文献数
7

チオトロピウムとインダカテロールを併用している慢性閉塞性肺疾患症例を対象として,グルコピロニウム/インダカテロール合剤への変更による有用性を検討した.対象症例は16例,平均年齢は72.9歳,FEV1は1.31±0.43 L,%FEV1は49.2±12.9%であった.薬剤変更後4週,12週とも肺機能検査では変化を認めなかったが,薬剤変更後12週でのCATは有意に改善した.またデバイスの嗜好性においては,各手技,吸入手技の自信,吸入の継続性に対して,ハンディヘラー®と比較しブリーズヘラー®の嗜好性が高かった.以上のことからチオトロピウムとインダカテロール併用からグルコピロニウム/インダカテロール合剤への変更は,合剤のメリットであるアドヒアランスの向上だけでなく,QOLの改善効果,さらには吸入デバイスに対する嗜好性から吸入の快適さも向上させうることが示唆された.
著者
塚越 優介 澤田 友里 蜂巣 克昌 笠原 礼光 鶴巻 寛朗 矢冨 正清 櫻井 麗子 砂長 則明 前野 敏孝 久田 剛志
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.160-163, 2019-03-25 (Released:2019-04-03)
参考文献数
10

背景.気管気管支アミロイドーシスは稀な疾患であるが,全身疾患との併存例も報告されている.症例.58歳,女性.線維筋痛症,全身性強皮症,シェーグレン症候群について通院中に慢性咳嗽を生じ,当科を受診した.胸部単純CT検査で,左B3,左B8,および右B7中枢側に限局した石灰化を伴う気管支壁肥厚と狭窄を認めた.経気管支鏡的気管支生検を施行したところ,病変部にALアミロイド沈着を認め,気管気管支アミロイドーシスと診断された.医学中央雑誌による検索では,報告例の約17%に何らかの全身疾患が合併しており,その中でもシェーグレン症候群の合併例が多かった.結論.気管気管支アミロイドーシスの病態に,全身疾患が間接的に関与する可能性がある.