著者
朝賀 昌志 村井 恵子 中西 律子 青山 好男
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.9, pp.708-715, 2000-09-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
18
被引用文献数
3 2

Bacillus属細菌ではB.subtilisが緑茶浸出液でよく増殖した.緑茶浸出液を100°C以上で加熱することでB.subtilisに対する緑茶浸出液の抗菌活性が増加した.この抗菌活性もカテキン類同様PVPPに吸着除去され,PVPP処理した緑茶浸出液を加熱しても抗菌性は示さなかった.カフェイン,テアニン,アミノ酸は加熱処理で変化しなかった.加熱処理により緑茶カテキン類のEGCg,EGC,ECg,ECは減少し,それらのエピマーが増加した.カテキン類ではEGCg,ECg,GCg,Cgの4成分が50mg/100mlでB.subtilisの増殖を抑制した.緑茶成分の溶媒抽出による分離で抗菌性を示したのは酢酸エチル可溶性画分と1-ブタノール可溶性画分であったが,どちらも加熱緑茶の方が強い抗菌活性を示した.酢酸エチル可溶性画分を逆浸透法で透過画分と未透過画分に分離した.透過画分はどちらも抗菌活性を示したが,未透過画分は加熱緑茶のみに抗菌活性が認められた.以上のことから,加熱で緑茶浸出液に生成する抗菌成分は分子量の小さいカテキンの重合物であると推察した.
著者
西 律子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.48-63, 2005-01-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
25
被引用文献数
2 3

本研究は,シルバーピア(高齢者向け集合住宅)に入居している単身高齢者が,個別のエイジングプロセスにおいて居住を継続していく際にどのような問題が生じているのか,居住支援として何が必要とされるのかを,居住する地域を含めて考察することを目的とする.調査対象としたのは文京区シルバーぴア3カ所の入居者である.調査から次のことが明らかとなった.(1)都市的アメニティが集積する文京区の地域特性はシルバーピア入居者の居住継続を支援する要因ではあるが,エイジングによる身体機能等の低下によって,これを十分に利用できていないケースがみられる.(2)シルバーピアが地形を考慮した立地ではないため,入居者の行動領域を狭めるケースもみられる,(3)シルバーピアでは,入居者同士の関係が希薄であると同時に地域との関係が疎遠であり,サポート資源としての隣人が得られていない.(4)日常的にサポートが必要になった入居者の場合,介護保険制度を利用して生活を維持しようとするが,サービス内容の面で必ずしもニーズに応えるものとなってはいない.
著者
大西 律子 渡邉 貴介
出版者
日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.25-34, 1998 (Released:2017-04-01)

This study aims to clarify the evolution process of tourism policies and developments in Hokkaido pushed by the authority since the Meiji era to the beginning of the Showa era. Based on related historical documents the chronological table is originally made, on which the analysis is concluded. The findings are as follows; (1) The development process can be divided into three stages in broad sense and into six in precise sense. (2) Through the process seven strategic ideas had been invented or introduced in Hokkaido, most of which were more leading than in other parts of Japan.