著者
西 教生
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.95-100, 2010 (Released:2011-03-01)
参考文献数
23
被引用文献数
1 4

都留文科大学構内において2003年4月から2009年3月まで窓ガラスに衝突したと推測された鳥類を採集した。その結果22種43羽が採集された。例外はあるものの,窓ガラスの近くに樹木があることが衝突の要因として考えられた。シロハラについては11~1月の午前中に衝突が起こりやすいと思われた。緊急的に衝突を防ぐためには,この期間はカーテンを閉めること,バードセーバーを貼ることが対策として考えられた。
著者
西 教生 高瀬 裕美
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.S1-S8, 2008 (Released:2008-03-28)
参考文献数
21
被引用文献数
1

2007年 5月中旬から10月中旬にかけて,山梨県都留市においてハシボソガラスおよびハシブトガラスの成鳥の風切羽,尾羽の換羽の調査を行なった.踏査によって落ちている風切羽および尾羽を採集し,定点観察によって飛翔中の個体の風切羽および尾羽の換羽状態を記録した.ハシボソガラスおよびハシブトガラスとも初列風切羽の最も内側の第 1羽から外に向かって換羽を開始し,第 5~第 6羽まで進むと次列風切羽は最も外側の第 1羽から内側に向かって換羽を開始した.ハシボソガラスは 5月下旬から,ハシブトガラスは 6月上旬から風切羽の換羽を開始し,ハシボソガラスは 9月上旬から中旬に,ハシブトガラスは 9月下旬から10月上旬に終了した.尾羽の換羽は初列風切羽の第 4羽が換羽をすると開始され,中央尾羽から外側に向かって換羽を行なった.
著者
西 教生
出版者
The Japanese Bird Banding Association
雑誌
日本鳥類標識協会誌 (ISSN:09144307)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.69-74, 2014
被引用文献数
2

2013年11月11日および同年12月28日,三重県南牟婁郡御浜町でオオセッカ<i>Locustella pryeri</i>が3羽標識放鳥された.3羽はいずれも上面が茶褐色で,頭頂から腰にかけてと上尾筒の一部,肩羽に黒色の太い縦斑があった.尾羽は12枚あり,くさび尾で尾羽に斑はみられなかった.風切羽および雨覆,小翼羽も茶褐色で,三列風切の外弁,雨覆および小翼羽に黒褐色の縦斑がみられた.眉斑および眼先は白で,眉斑は眼より後ろで不明瞭になり,焦げ茶色の細い過眼線があった.腮および喉,腹は白色で,胸および脇,下尾筒は茶褐色であった.嘴は細く,上嘴および下嘴先端は黒炭色で,下嘴基部および会合線は淡い肉色を帯びていた.最外初列風切(P10)は初列雨覆よりも長く,初列風切第9羽(P9)の約半分の長さであり,これらはオオセッカの特徴と一致した.過去に三重県内でオオセッカが標識放鳥されていないことから,今回の記録が初標識放鳥記録である.同年11月11日に標識放鳥した個体が47日後に再捕獲されたこと,その個体以外に12月下旬に2個体が捕獲されたことから,越冬していることが示唆された.
著者
西 教生
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.F27-F32, 2014 (Released:2015-01-06)
参考文献数
23
被引用文献数
1

富士山北麓において2014年の繁殖期にソウシチョウの調査を行なった.2009年の調査結果と比較したところ,個体数は有意に減少し,分布の変化も確認された.ソウシチョウの個体数の減少および分布の変化は,ニホンジカの摂食によってスズタケが衰退したからであると考えられた.しかしながら,生息環境が類似するウグイスおよびコルリの個体数は,2012年と2014年では有意な差はなかった.
著者
西 教生
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
Japanese journal of zoo and wildlife medicine = 日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.95-100, 2010-09-01
参考文献数
23
被引用文献数
4

都留文科大学構内において2003年4月から2009年3月まで窓ガラスに衝突したと推測された鳥類を採集した。その結果22種43羽が採集された。例外はあるものの,窓ガラスの近くに樹木があることが衝突の要因として考えられた。シロハラについては11~1月の午前中に衝突が起こりやすいと思われた。緊急的に衝突を防ぐためには,この期間はカーテンを閉めること,バードセーバーを貼ることが対策として考えられた。
著者
西 教生 北垣 憲仁
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.129-145, 2011

里山環境の保全のための基礎資料を得ることを目的に、都留市十日市場および夏狩において2008年4 月~2011年3 月までの3 年間に鳥類の生息状況の調査を行なった。環境の異なるA コースおよびB コースの2 コースを設定し、月1 ~ 3 回、ラインセンサス法によって出現した鳥類の種名、個体数、出現環境、行動を記録した。その結果、A コースでは44種、B コースでは51種の鳥類が確認された。重複している種を除くと、2 コースで61種が確認された。これは、山梨県内で記録されている鳥類の23.5%にあたる。61種の内、ハイタカ、サシバ、クマタカはそれぞれ環境省および山梨県の、クロジは山梨県のレッドデータブックに記載されていた。スズメ、ヒバリ、ツバメ、タヒバリ、コジュケイの5種は興味深い出現パターンを示した。多くの鳥類が記録された理由としては、農耕地(Aコース)と樹林帯やススキ草原、河川(B コース)といった多様な環境が隣接した場所にあること、樹林帯は孤立した林ではなく、河川に沿って帯状に連続して広がっていることが推測された。また、河川、ススキ草原、樹林帯といった環境が帯状に広がるという地形が、多くの鳥類に生息地を提供していると思われた。繁殖期と非繁殖期の種類数に有意な差はないが、非繁殖期のほうが多い傾向を示すことが当調査地の特徴であり、年間を通して種類数が大きく変化をすることはなく安定していた。月別平均出現種類数は有意な差があり、その要因は夏鳥が少ないことであると考えられた。周辺環境の変化を示す可能性のある種として、A コースではサシバ、コチドリ、ノビタキ、コムクドリなどが、B コースではサシバ、ビンズイ、ヤブサメ、エゾムシクイなどの旅鳥が挙げられる。
著者
西 教生 北垣 憲仁 西丸 尭宏 NISHI Norio KITAGAKI Kenji NISHIMARU Takahiro
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大學研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
vol.79, pp.17-26, 2014

都留文科大学附属図書館に隣接しているビオトープは、周辺の山の自然とキャンパスをつなぐ「生きものの回廊」として機能するようなビオトープとして設計された。今後の管理計画や活用方法を考え、本学ビオトープの機能を評価するためには現状を把握する必要がある。そこで、2012年10月および11月、2013年8 月に本学ビオトープに生育している樹高50 cm 以上のすべての木本を対象とした調査をおこなった。確認された樹木の内、植栽以外の方法で本学ビオトープに持ち込まれて定着しているものは全体の33.6%を占めていた。本学ビオトープは風や鳥類の採食行動という作用によって周辺の山の生態系とつながっていると考えられ、これは「生きものの回廊」が十分機能していることを示すものである。また、本学ビオトープは身近な自然を対象としていることから、自然に親しむ入り口としても重要な意味を持つと考えられる。
著者
西 教生 北垣 憲仁 西丸 尭宏 NISHI Norio KITAGAKI Kenji NISHIMARU Takahiro
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大学研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
no.79, pp.17-26, 2014-03-20

都留文科大学附属図書館に隣接しているビオトープは、周辺の山の自然とキャンパスをつなぐ「生きものの回廊」として機能するようなビオトープとして設計された。今後の管理計画や活用方法を考え、本学ビオトープの機能を評価するためには現状を把握する必要がある。そこで、2012年10月および11月、2013年8 月に本学ビオトープに生育している樹高50 cm 以上のすべての木本を対象とした調査をおこなった。確認された樹木の内、植栽以外の方法で本学ビオトープに持ち込まれて定着しているものは全体の33.6%を占めていた。本学ビオトープは風や鳥類の採食行動という作用によって周辺の山の生態系とつながっていると考えられ、これは「生きものの回廊」が十分機能していることを示すものである。また、本学ビオトープは身近な自然を対象としていることから、自然に親しむ入り口としても重要な意味を持つと考えられる。
著者
西 教生 高瀬 裕美
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research
巻号頁・発行日
vol.4, pp.S1-S8, 2008

2007年 5月中旬から10月中旬にかけて,山梨県都留市においてハシボソガラスおよびハシブトガラスの成鳥の風切羽,尾羽の換羽の調査を行なった.踏査によって落ちている風切羽および尾羽を採集し,定点観察によって飛翔中の個体の風切羽および尾羽の換羽状態を記録した.ハシボソガラスおよびハシブトガラスとも初列風切羽の最も内側の第 1羽から外に向かって換羽を開始し,第 5~第 6羽まで進むと次列風切羽は最も外側の第 1羽から内側に向かって換羽を開始した.ハシボソガラスは 5月下旬から,ハシブトガラスは 6月上旬から風切羽の換羽を開始し,ハシボソガラスは 9月上旬から中旬に,ハシブトガラスは 9月下旬から10月上旬に終了した.尾羽の換羽は初列風切羽の第 4羽が換羽をすると開始され,中央尾羽から外側に向かって換羽を行なった.