著者
雨宮 智宏 各務 響 岡田 祥 西山 伸彦 胡 暁
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J105-C, no.9, pp.244-262, 2022-09-01

トポロジカルフォトニクスとは,光工学(フォトニクス)の分野に数学の位相幾何学(トポロジー)の概念を持ち込んだものであり,これにより,円偏光(光のスピン)や光渦(光の軌道角運動量)などの光のトポロジーに起因した情報を体系的に扱うことができるようになる.本論文では,トポロジカルフォトニクスの理論的枠組みに触れつつ,その実証に向けた分析技術・作製技術,及び光回路への応用について言及する.
著者
土居 恭平 進藤 隆彦 二見 充輝 雨宮 智宏 西山 伸彦 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.180, pp.41-46, 2012-08-16

我々は、オンチップ光インターコネクション用の光源として半導体薄膜(membrane)DFBレーザを提案してきた。半導体薄膜レーザでは、クラッド層に低屈折材料を用いた強い光閉じ込め効果により極低しきい値での動作が期待されている。これまでに、コア層厚450nm、共振器長300μmの半導体薄膜DFBレーザを試作し、しきい値電流値11mAの室温パルス発振を得た。しかし、室温連続動作には至っておらず、この原因を検討するため熱分布シミュレーションによる熱特性の解析を行った。その結果、試作した構造における熱抵抗値は1100K/Wと見積もられ、室温連続発振が困難であることが明らかとなった。そこで、将来的に極低しきい値動作が期待されるコア層厚150nmを有する半導体薄膜レーザについても同様の理論解析を行った。動作電流1mAにおいて熱抵抗値は7000K/Wと大幅に上昇するが、強い光閉じ込め効果に伴う極低しきい値動作が可能となるため、室温連続動作条件下で10Gbit/sのオンチップ光インターコネクションを行うのに十分な光出力を得られることを示した。
著者
内藤 秀幸 阪本 真一 大竹 守 奥村 忠嗣 丸山 武男 西山 伸彦 荒井 滋久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LQE, レーザ・量子エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.125, pp.19-22, 2007-06-22

半導体薄膜導波路構造を用いるDFBレーザは、量子効果による利得増強効果と併せて従来にない極低電力動作、BCB等の屈折率の温度依存性が負となる材料をクラッド層とすることによる発振波長の温度無依存化が期待できる。これまでの作製法で大面積化・再現性が問題となっていた貼り付け法ではなく、薄膜導波路構造下に予め成長した犠牲層の横方向選択エッチングによるエアブリッジ構造を用いて半導体薄膜BH-DFBレーザを試作した結果、光励起下で10℃〜80℃までの連続発振を実現した。最低しきい値励起光強度は20℃で4.3mW、また、レーザの発振波長の励起パワー依存性より見積もった熱抵抗値は11K/mWであった。