著者
釜野 徳明 速水 格 日野 晶也 小笠原 強 関 邦博 服部 明彦 小竹 文乃 張 恵平 西川 輝昭 竹内 一郎 橋本 惇 三浦 知之 木津 治久 姚 新生 小宮山 寛機 川村 将弘
出版者
神奈川大学
雑誌
年報 (ISSN:13420917)
巻号頁・発行日
vol.95, pp.117-119, 1996-03

約100万種といわれる海洋生物は、地上における最も未知な世界である。本年度も、この海洋生物から、医薬資源となりうる有用な生理活性物質を発見し、構造を明らかにし、生理活性を検討することを目的として研究を行っている。本年採集した生物は、39件29種であり、今までに189件を採集した。採集生物のリストを最後に示した。バイオアッセイを目印に、そのうち、海草、クダウミヒドラ、スポンジ、エボヤ、ユーレイボヤ、アカフジツボ、クロフジツボ、群体ボヤ、オオワレカラなどにつき有用成分の探索を行った。特に付着生物コケムシ類Bugla nertinaおよびAmathia convolutaを検討し、有益な知見を得た(研究の成果の項参照)。7月21日(金)、22日(土)には、本学平塚キャンパスおいて、「第1回海洋生物科学の基礎と応用(最近の進歩)シンポジウム」を開催した。海洋生物の基礎と応用研究にたづさわる最前線の各研究者の発表と講演を通し、相互の理解と現状を把握し、協力して大きな夢へ向かっての議論が出来たことは一般への啓蒙に加えて大きな成果であった。このシンポジウムには、基礎部門の代表者として本学の日野晶也助教授の協力を得ている。演者とシンポジウムのタイトルを後述する。このような基礎と応用を一同に会したシンポジウムは最初の試みであり、今後も続ける予定である。ちなみに今回の参加者はのべ150名であった。