著者
西田 征治 近藤 敏 西村 玲子 住廣 香里
出版者
県立広島大学
雑誌
人間と科学 (ISSN:13463217)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.63-70, 2011-03

我々は2005 年より三原市における認知症予防教室に参画してきた。本稿ではそのコンセプトと2007年に実施したプログラムと成果を報告する。本教室は,一般市民を対象とした目的型ポピュレーションアプローチにより,参加者の認知症予防行動が習慣化されることや自己効力感を高めることを主な目的としている。そのため,参加者はグループを構成し興味や課題と言った自分たちに何らかの意味のある活動を計画し,実行し,振り返ることを通して,認知症予防のための認知的アプローチの手法を学ぶ。その中で,我々は,彼らのエンパワメント支援を行っている。2007年のプログラムでは参加者の9割が「今までやめていたいことを家でするようになった」,8割が「日常生活でも計画― 実行― 振り返りを意識するようになった」と回答し,行動変容や意識変化の成果が認められた。また,自主化されたグループは2年半経過した現在でも活動を継続している。報告
著者
永吉 美香 吉川 ひろみ 高木 雅之 古山 千佳子 西村 玲子 山西 葉子 西村 玲子
出版者
県立広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

非行等の問題行動があり、児童自立支援施設で生活している子ども達の、社会交流技能について評価を行った。その結果、施設で生活している子ども達の社会交流技能の全体的なレベルには大きく2つの山があり、1つめは「平均より低いが社会生活に明らかな影響を及ぼすほどの低さではないレベル」に、もう1つは「社会生活に明らかな影響を及ぼすレベル」にあった。また入所児の多くが「対人関係」を自分の問題として報告していた。このことは未熟な社会交流技能であることが非行と関連している可能性を示唆しており、より年少期間での社会経験の格差解消や、早期介入を行うことで、将来の非行行動を回避できる可能性が考えられる。