著者
衣笠 真理恵 古山 千佳子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.232-238, 2021-04-15 (Released:2021-04-15)
参考文献数
15

心不全,脳梗塞後遺症などを呈したA氏に,『音楽を楽しむ』作業の可能化を目指して介入した.可能化の背景にあった基盤やOTが用いた技能を,クライエント中心の可能化のカナダモデル(以下,CMCE)で考察した.A氏にとって『音楽を楽しむ』ことは,時間を超えた人とのつながりを感じ,生活の習慣を作り,痛みを忘れさせ,アイデンティティを保ち,生きている実感を与えていた.可能化の背景には,特に【クライエントの参加】,【可能性の見通し】が影響していた.それらを強化し促進するため,《適応》,《調整》,《コーチ》などの技能を用いたことで可能化に至った.CMCEを意識して関わることで,より作業療法の専門性を活かした介入につながる.
著者
宍戸 聖弥 古山 千佳子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.772-779, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
11

本報告は放課後児童クラブ(以下,児童クラブ)において,作業に焦点をあてたコンサルテーションを行った実践報告である.今回,COPMやスクールAMPSを活用したことで,児童クラブの支援員が事例に期待している作業に焦点を当て,その作業遂行の改善を目的とした提案を行うことができた.結果,児童クラブ支援員と作業療法士の協働がより進み,支援員間で対応が共有化されたことで,事例の作業遂行に改善がみられた.よって,学校の教室に近い環境下であれば,COPMやスクールAMPSに基づいたコンサルテーションに一定の効果があることが示唆された.
著者
永吉 美香 吉川 ひろみ 高木 雅之 古山 千佳子 西村 玲子 山西 葉子 西村 玲子
出版者
県立広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

非行等の問題行動があり、児童自立支援施設で生活している子ども達の、社会交流技能について評価を行った。その結果、施設で生活している子ども達の社会交流技能の全体的なレベルには大きく2つの山があり、1つめは「平均より低いが社会生活に明らかな影響を及ぼすほどの低さではないレベル」に、もう1つは「社会生活に明らかな影響を及ぼすレベル」にあった。また入所児の多くが「対人関係」を自分の問題として報告していた。このことは未熟な社会交流技能であることが非行と関連している可能性を示唆しており、より年少期間での社会経験の格差解消や、早期介入を行うことで、将来の非行行動を回避できる可能性が考えられる。
著者
岡田 麻里 吉川 ひろみ 古山 千佳子 森田 愛子 金城 利雄 川崎 裕美
出版者
県立広島大学
雑誌
広島県立保健福祉短期大学紀要 (ISSN:13420070)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.67-74, 1999-05

障害者が当市で社会生活をする際のニーズを探るために, やっさ祭り終了後「明日に架ける橋チーム」として踊りに参加した障害者, 家族, ボランティアを対象に調査を実施した。その結果, 物理的環境と社会的環境の二つの側面でニーズを捉えることができた。また, 障害の有無にかかわらず, 共に参加する機会をつくることの必要性が示唆された。