著者
山田 真司 井村 和孝 新井 裕子 小田 満理子 西村 英樹
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.46(1995-MUS-010), pp.21-28, 1995-05-19

音楽演奏者は自らの音楽的表現を行うために、正確に身体運動を制御する能力を有すると考えられる。音楽演奏者の基礎的な時間的制御能力を測定するため、中程度のピアノ演奏能力を有する音楽専攻学生に等間隔タッピングを行わせ、その時間間隔ゆらぎを分析した。その結果、等間隔タッピングの時間的制御に、過去約20 tapの時間間隔を保持する記憶機構が介在することが示唆された。また、様々なレベルのピアノ奏者、打楽器奏者および非音楽奏者に等間隔タッピングを行わせた結果、熟練したピアノ奏者は、非熟練者や非音楽奏者よりもゆらぎが小さかった。また、打楽器奏者は熟練したピアノ奏者よりも時間的制御が優れてはいなかった。
著者
望月 隆弘 衣笠 えり子 草野 英二 大和田 滋 久野 勉 兒島 憲一郎 小林 修三 佐藤 稔 島田 憲明 中尾 一志 中澤 了一 西村 英樹 野入 英世 重松 隆 友 雅司 佐中 孜 前田 貞亮
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.853-862, 2012-09-28 (Released:2012-10-05)
参考文献数
23

【目的】ビタミンE固定化ポリスルフォン膜ダイアライザ(VPS-HA)が,血液透析患者の貧血や,貧血治療薬(ESA)の投与量に影響を与えるか否かを検討した.【方法】主要なエントリー基準は,機能分類IV型ポリスルフォン(PS)膜を3か月以上使用し,直近3か月はTSAT 20%以上で,ESA製剤の変更がなく,ヘモグロビン(Hb)値は10.0g/dL以上12.0g/dL未満を満たす患者とした.研究参加は48施設で,305症例がエントリーされた.エントリー患者を,VPS-HAに変更する群(151名)と,従来のIV型PS膜を継続する群(154名)の2群に分け(中央登録方式),研究開始時のHb値を維持(10.0≦Hb<11.0g/dLおよび11.0≦Hb<12.0g/dL)するESA投与量を主要評価項目とした.その評価指標としてエリスロポエチン抵抗性指数(erythropoietic resistance index:ERI)を用いた.【結果】研究は1年間実施された.目標Hb値10.0≦Hb<11.0g/dLの範囲では差はなかったが,目標Hb値11.0≦Hb<12.0g/dLの範囲で,VPS-HA群はIV型PS膜群に比して良好なESA反応性を示した.とくにVPS-HA群のDarbepoetin alfa(DA)投与例では,8か月以降で開始時と比較して統計的有意差をもってERIが減少していた.またIV型PS膜群のrHuEPO投与症例では,統計的に5,7,10か月で,開始時と比較してERIが増加していた.VPS-HAとIV型PS膜の群間比較では,11か月目でVPS-HA群のDA投与例でIV型PS膜群に比して,ERIが有意に減少していた.【結語】目標Hb値11.0≦Hb<12.0g/dLの範囲で,ビタミンE固定化膜は,IV型PS膜に比べてDA投与量が減少しており,ESA投与量軽減効果が期待できる(UMIN試験ID:UMIN000001285).