著者
井上 雄吉 荒木 一富 西田 勇人 藤田 明美 藤本 万理 青山 麗子
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.496-509, 2010-12-31 (Released:2012-01-05)
参考文献数
41
被引用文献数
2

表出障害が主体の失語症に対する低頻度反復経頭蓋磁気刺激 (rTMS) の効果について検討した。対象は左大脳半球の主に慢性期脳血管障害 20 例 (梗塞 12 例,出血 8 例,全例右利き) で,発症から rTMS 開始までが 68~2793 日 (平均 591.6 日) であった。rTMS は健側右半球の Broca 野相同部位の Brodmann 45 野に,運動閾値の 90 %の強度で,1Hz,900 発刺激を計 10 セッション行った。評価は表出面を中心に,40 個の絵の呼称や短縮版 WAB,標準失語症検査 (SLTA) で行い,rTMS 前後の局所脳血流量 (rCBF) も調べた。結果は,絵の呼称では脳梗塞例全体で rTMS 施行 2 週後から有意の改善を認め,効果は終了 4 週後も持続し,SLTA でも有意の改善を認めた。脳出血例では有意の変化はなかった。脳梗塞例では rTMS 後に左基底核 rCBF の有意の増加を認めた。健側半球の低頻度 rTMS は,特に左基底核が保たれた慢性期脳梗塞に有効であり,失語症の改善に左基底核の関与が示唆された。
著者
西田 勇人 中川 仁 正源 和義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.93, no.40, pp.5-10, 1993-05-21
被引用文献数
3

放射電力可変型21GHz帯全国放送衛星システムにおける電力分配量の制御法を検討した。この制御法は、日本各地で21GHz帯衛星電波を受信し、受信電波減衰量の短時間での変化に応じて電力を分配する方法であり、さらに全国約1300地点の1時間毎のアメダス降水量データを併用する。この方法の有効性を確認するために、全国6都市での12GHz帯のBS-2b電波の1分間毎測定値から計算した21GHz帯での減衰量と、アメダスを併用した電力分配シミュレーションを行った。その結果、所要C,Nを下回る時間率が、アメダスのみ使用した場合に比べ6都市平均で68%に減少し、回線維持率の向上が確認できた。また、シミュレーションにより本衛星システムの妥当性を確認した。