著者
村川 武雄 坂本 博 深田 志計実 中本 昭治 広瀬 俊治 伊藤 位一 西田 実
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.28, no.Supplement5, pp.111-118, 1980-09-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
7

Ceftizexime (CZX, FK 749) をマウス, ラット, イヌおよびサルに非経口的に投与したときの薬動力学的特性について, Cefotiam, Cefmetazole, Cefotaxime, CefamandoleおよびCefazolinの場合と比較検討した。CZXの血清中濃度は大動物 (イヌおよびサル) では全般に他剤より高値を示したが, 小動物 (マウスおよびラット) では低値を示した。検討した実験動物において, 投与したCZXの約80%が未変化体で24時間尿中に排泄された。またCZXのラットにおける胆汁中排泄率は低く, 24時間内で3.7%であった。またイヌにおける24時間胆汁中排泄率は0.45%と低かったが, 胆汁中濃度は1時間で179μg/ml, 2時間で148μg/mlと比較的高値を示した。1回静注投与後の血清中濃度のデータを用いて, two compartment open modelにより薬動力学的解析を行なった。各種動物の尿中の抗菌活性物質はCZXたけであったが, ラット胆汁中にだけCZXとは具なる活性代謝物が検出された。CZXは血清, 尿および組織ホモジネート中で安定であったが, Cefotaximeはラット組織ホモジネート中で不安定であった。CZXの血清タンパク結合率は検討したすべての血清種で他剤より低値を示し, ヒト, イヌおよびラットでそれぞれ31%, 17%および32%となった。
著者
若松 謙一 西田 実継
出版者
岐阜大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1990

銀河間衝突が銀河中心核の核活動、特にセイファ-ト現象やクエサ-と深く係わっているのではないかとの仮説は1985年に出され、最近大きな関心を呼んでいる。衝突に依って相棒銀河から剥ぎ取られたガスが銀河中心核へと隆り積もり、爆発的星の形成を引き起こし、ブラック・ホ-ルへガスを供給して中心核を活性化する、と言うのである。銀河間衝突で形成されたことがはっきりしているリング状銀河について、セロトロロ天文台で得たCCD撮像分光デ-タを本研究費で購入したワ-クステ-ションを用いて解析を行い、現在までに以下の結果を得た。1.約40個のリング状銀河の中心核は輝線や強いバルマ-吸収線を示しており,星形成等の激しい核活動が起こっている事を見いだした。2.輝線を示す銀河の大部分はライナ-(LINER)やスタ-・バ-スト型であり,セイファ-ト2型はわずか3個、1型は新たには1個も発見出来なかった。3.また、多くのリング状銀河がIRAS赤外線源であることもつきとめた。4.以上の事より、リング状銀河では予想通りの形成は極めて活発ではあるが、セイファ-ト1型が少なかったことより、銀河間衝突がブラック・ホ-ルへガスを供給して銀河中心核を活性化する、とのシナリオを検証するには至らなかった。5.その理由として、リング状銀河を形成する衝突は銀河ディスクを垂直につっきるタイプなので、ガナを中心核へ落し難しくなっているとも考えられるが、その割にはスタ-・バ-スト型が多いことからそう単純でもなさそうである。6.リングを持った楕円銀河であるHoagーtype銀河ではバルマ-吸収線が強く、10億年以内に激しい星の形成があったと思われる。なお、平成4年7月にもう一度セロトロロ天文台で観測できる事となったため、この問題をより一層突き詰めたいものである。