著者
佐藤 裕二 角田 拓哉 北川 昇
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.448-454, 2019-03-31 (Released:2019-04-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1

口腔機能低下症の評価方法の一つとしてオーラルディアドコキネシス(ODK)が挙げられる。ODKは1秒間に/pa/ /ta/ /ka/をそれぞれ何回発音できるかをカウントする。しかし,高齢者自身が簡便に測定することは困難である。そこで,本研究ではODKの簡便な自己評価方法を考案し,従来法と比較した。 「ぱたか」と10個書かれた用紙を順に指さしながら発音し,自分で秒針のついた時計で時間を測定した(pataka 10回法)。また,同時に測定者がストップウォッチで時間の測定を行った。ODKの測定には口腔機能測定機器を用いた。結果を1秒ごとの発音数に換算した。被験者は高齢者27名で,測定はそれぞれ2回行い,その平均をデータとした。 pataka 10回法はODKの/pa/と/ta/と/ka/に有意な正の相関を示し,pataka 10回法で被験者と測定者の測定結果は有意な正の相関を示した。ODKでいずれかが4回/s未満を舌口唇運動機能障害の閾値とし,pataka 10回法で被験者測定が6秒以上,測定者で5.5秒以上を閾値としたときの感度はともに1.0,特異度はそれぞれ0.90,0.95であった。 新たに考案した方法は,閾値についてはさらなる検討が必要であるものの,患者による自己評価方法として有用である可能性が示唆された。
著者
楠 宜樹 勝野 朋幸 中江 理絵 渡邉 佳穂里 角田 拓 越智 史浩 徳田 八大 赤神 隆文 美内 雅之 宮川 潤一郎 難波 光義
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.715-720, 2015-09-30 (Released:2015-09-30)
参考文献数
23
被引用文献数
2

血糖自己測定(SMBG)に加えて持続血糖モニター(CGM)が血糖変動の評価に使用されている.本試験ではProfessional CGM(Pro-CGM)とPersonal CGM(Per-CGM)によるグルコース値の測定精度を評価する.1型糖尿病患者8名にPro-CGMおよびPer-CGMを同時に装着してセンサーグルコース値(SG)を測定し,SMBGで得られた血糖値(BG)との相関について検討.Pro-CGMおよびPer-CGMで得られたSG値とBG値とはそれぞれ強い正の相関を示した.Pro-CGMのSG値とBG値での平均絶対偏差は12.3±13.8 %,Per-CGMのSGとBGでの平均絶対偏差は13.7±12.6 %と両CGMの精度は同程度であった.日本で使用可能なPro-CGMとPer-CGMともにBGと強い相関を示し,血糖変動の評価に有用である.