著者
亀山 宗彦 佐藤 孝紀 谷本 浩志 小川 浩史 角皆 潤 山下 洋平
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では海表面への落雷に伴う物質循環が起きる可能性を検証した。実際の海水、河川水、純水に純空気及びアルゴン雰囲気下で放電を行うことで実際の落雷を模擬した。本研究では特に窒素酸化物の生成がみられ、放電に伴い硝酸・亜硝酸塩及び亜酸化窒素が生成されていることがわかった。硝酸・亜硝酸は気相中での生成が知られており、本研究でも主な生成は気相中で起こっていたが、液相中でもその生成が起きていることがわかった。また、溶存態・粒子態有機物の生成・分解も確認された。
著者
角皆 潤 谷本 浩志 神田 譲太 野口 泉 小松 大祐
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、東アジア域では初となる一般水環境試料中に含まれるNO_3^-のΔ^<17>O組成定量を実現し、そのNO_3中に含まれる大気由来のNO_3^(NO_3^-_<atm>)の混合比のトレーサーとしてのΔ^<17>O組成の信頼性を検証するとともに、その有用性を実証することを目的としている。特に、全NO_3^-中に占めるNO_3_<atm> 混合比は、定常状態下では、総NO_3^-供給速度に対する大気からのNO_3^-_<atm>沈着速度の相対比に等しいので、これを活用する。まず北海道の利尻島において、長期に渡って湿性沈着試料を集めてNO_3_<atm>のΔ^<17>O組成の連続観測を成功させ、その年平均値(Δ^<17>O_<atm>)を見積もった。次に同島の森林域から流出する地下水試料中のNO_3について、Δ^<17>O値定量を実現し、Δ^<17>O_<atm> との比較から、大気から沈着した窒素が森林生態系によって浄化される過程を定量的に評価した。さらに摩周湖の湖水中に溶存するNO_3のΔ^<17>O組成の分布を定量し、大気から貧栄養の水環境下に沈着したNO_3^-_<atm>の挙動を定量化した。