著者
紙野 健二 市橋 克哉 下山 健二 高田 清恵 高橋 祐介 豊島 明子 大沢 光 山田 健吾 前田 定孝 大河内 美紀 林 秀弥 藤枝 律子 稲葉 一将 岡本 裕樹 宮澤 俊昭
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

グローバルな規模で展開再編する市民社会は、少子化、大規模災害や自然環境の破壊が典型的であるように、自らの存続にとっての数多くの脅威に直面して、国家に解決すべき、しかし困難な多くの課題を突きつけている。このような国家と市民社会のそれぞれの運動に対抗するものとして、双方性を有する行為である契約が観念される。それは、国民生活に必要な役務の交換が国家から市場へと転化した結果一方的に提供される役務の「選択」の法制度に対して、またこのような法制度に対する多数の国民意思を正確に反映できなくなっている民主主義の機能不全に対して、ますます強く観念せざるをえない。このような意義を有する契約が、いかなる行政領域の法を反映して、どのような実体法手続法的な形態となって表現しているのかを論証するべき必要を明らかにしたことが、本研究の成果である。研究成果の一書による公表が、計画されている。