著者
佐藤 和紀 板垣 翔大 赤坂 真二 堀田 龍也
出版者
日本学級経営学会
雑誌
日本学級経営学会誌 (ISSN:24347760)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.29-37, 2023-03-20 (Released:2023-03-21)
参考文献数
17

学級経営の基礎的研究として,人工知能を用いた「下駄箱の靴の揃い方判断支援システム」を試作した。また,小学校教諭8名の協力を得て,本システムを1週間,小学校で試行的に実践した。活用中は毎日,下駄箱の写真を撮影し,判定結果を記録した。その結果,「揃っている」ことの判定結果の確信度は徐々に向上し,「揃っていない」ことの確信度は徐々に低下していった。実践の終盤には,撮影方法の違いによって確信度の割合がどのように変わるかを試みる児童の姿が見られた。このことから,児童は人工知能が示す確信度を意識し,下駄箱を整理したと考えられる。
著者
赤坂 真二
出版者
日本学級経営学会
雑誌
日本学級経営学会誌 (ISSN:24347760)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-4, 2019 (Released:2020-09-07)
参考文献数
20
被引用文献数
3

新学習指導要領において意味の再確認がなされた学級経営は,学習の成立,教科指導,特別支援教育などの視点からもその重要性が指摘される。しかし,その成り立ちの経緯から教育現場では多様な捉えが存在し,明確な定義が見当たらない状況である。今後は学級経営に関する科学的根拠をもった実践研究の積み重ねと共に学級経営を学ぶ体制の整備が求められる。
著者
永田 佳奈子 赤坂 真二
出版者
日本学級経営学会
雑誌
日本学級経営学会誌
巻号頁・発行日
vol.3, pp.23-33, 2021

本研究では,教職員間で交わすインフォーマル・コミュニケーション(以下,IFC)の実態と職場の職場風土及び被援助志向性に対する認知との関連を調べることを目的とする。調査校の職場に対する認知を調べた結果,職場の雰囲気を協働的に捉え,周囲に援助を求めようとする教職員が多かった。次に,教職員が交わすIFCの実態を調べるため,授業時間中の職員室での発話を分析した結果,職務に関わる話題とともに,生徒や私的な話題も頻繁に交わされていた。この結果から,協働的で,相談をしやすいと感じている職員が半数以上を占める職場では,教職員同士のやりとりの中で,普段から気軽な声がけや相談,生徒のことや私的な会話などのIFCも割合的に多く行われていると考えられる。そして,これらのようなIFCの中の言語的コミュニケーションが,職員が安心して働ける職場となる一助になっている可能性が示唆された。