著者
曽良岡 宏 足立 正信 本田 国保 田中 浩一
出版者
公益社団法人日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次論文集 (ISSN:13477560)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.1123-1128, 2001-06-08
被引用文献数
4

実大規模で製作したボックスカルバートの2試験体を用いて水平載荷実験を行い,主鉄筋量および内空幅の違いが構造物全体系としての水平耐力および変形性能に及ぼす影響について検討した。その結果,主鉄筋量が多いと水平耐力は大きいが荷重低下時の変形が小さいこと,また,内空幅が広く主鉄筋量が少ない場合は,耐力は小さいが水平荷重が低下するときの変形は大きいこと,さらに鉛直部材のせん断破壊によって頂版の沈下量が増加することなどが分かった。
著者
井上 純哉 足立 正信 石田 哲也 前川 宏一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

一般に局部変形の卓越する部材や鋼材が局部座屈する領域が内在する場合,すべての挙動を数値解析で追跡することは未だ困難である.そこで本研究では,実験によって代表させた領域での局所変形と力の関係に関する情報をそのまま構成則開発の検証データとするシステムの構築、並びに上記システムを構築する上で不可欠となる新たな解析手法及び設計手法の開発を目的とした.その結果,新たな知見として以下に列挙する研究成果を得る事が出来た.(1)解析-実験システム間の通信プロトコルの雛形の開発開発された通信プロトコルはデータ形式の拡張性・データの大規模化・分散/並列環境を考慮し,一般に広く用いられているDocument方式を採用した.開発された通信プロトコルを用い,小規模LAN内で通信試験を行い検証した結果,非線形性が小さい領域では概ね問題なく動作する事が確認された.(2)エレメントフリー確率有限要素法の開発材料の不確定性のみならず,複雑なRC構造物を容易にモデル化する事を可能にする事を目的に,エレメントフリーガラーキン法を摂動展開及びPolynomial Chaos展開を用いて拡張した確率有限要素法を開発した.開発された手法を様々な境界条件におけるモンテカルロシミュレーションの結果との比較により,その有効性及び効率性を示す事が出来た.(3)自己質量調整型仮想材料モデルの開発地中鉄筋コンクリート構造の接合部および隅角部に対して,自己質量調整型仮想材料モデルによって配筋を生成し,施工が前能で,しかも曲げせん断力を適切な裕度で伝達できる設計を提示した.本研究成果の特質としては,せん断破壊の寸法効果が顕著となる大型部材に対して特に有効である事が言える.