- 著者
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吉田 明日美
髙田 和子
別所 京子
田口 素子
辰田 和佳子
戸谷 誠之
樋口 満
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
- 雑誌
- 栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
- 巻号頁・発行日
- vol.70, no.5, pp.305-315, 2012 (Released:2012-12-13)
- 参考文献数
- 31
- 被引用文献数
-
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【目的】女性スポーツ選手を対象に,二重標識水(DLW)法で測定した総エネルギー消費量(TEE)と,食事記録法より求めた総エネルギー摂取量(TEI)から算出したTEI評価誤差に対する種目や身体組成,食事摂取状況の関連を明らかにすることを目的とした。【方法】大学女性選手38名(陸上中長距離9名,水泳10名,新体操7名,ラクロス12名)を対象とした。体重補正済みTEE(cTEE)はDLW法で求めたTEEと調査期間中の体重変動から算出し,TEIは同期間に実施した食事記録法による食事調査から計算した。【結果】cTEEとTEIは,陸上 2,673±922 kcal/day,2,151±434 kcal/day,水泳 2,923±749 kcal/day,2,455±297 kcal/day,新体操 3,276±497 kcal/day,1,852±314 kcal/day,ラクロス 2,628±701 kcal/day,2,329±407 kcal/dayであった。TEI評価誤差は,陸上-13.6±24.1%,水泳-13.3±14.3%,新体操-42.0±15.3%,ラクロス-2.8±38.3%であり,種目間の比較では新体操が有意に過小評価していたが,身体組成や食事摂取状況には競技特性はみられず,同一種目間の個人差が大きかった。評価誤差の大小で2群に分けた高精度群(評価誤差-8.4±10.7%(値の範囲:-24.8%~+14.5%))は過小評価群(-40.9±8.8%(-56.3%~-28.7%))よりTEE,脂質エネルギー比率が有意に低値であり,菓子類摂取量,食事回数,炭水化物エネルギー比率が有意に高値であった。TEEが小さいことは高精度群への分類に独立して関連していた。【結論】女性選手の評価誤差には,TEEが独立して関連し,種目や食品群別摂取量,エネルギー比率,食事回数が関連する可能性が示された。今後は,対象種目の再検討や対象者数の増加とともに,心理的,社会的要因を含めた,評価誤差に関連する要因の検討が必要と考えた。