著者
辻 昭二郎
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.61-65, 1984
被引用文献数
1 5

食感の変化を機器によるバラメーターで表現することを検討した。測定にはテンシプレッサーを使用した。<BR>(1) そばとうどんの食感の基本的な違いも両者のfract.特性の差として示せる。<BR>(2) 測定や解析が簡便で再現性のよいパラメーターとして,新たにfract. indexを導入して検討した。<BR>(3) Fract. indexはそばのfract.特性および"のび"にともなう食感の変化を数字的に表現するのに極めて有用であった。<BR>(4) Fract. indexの値で0.74近辺がそばの食感として最適なfract.であり,これよりある程度高くなるとうどんに類似し,逆にこれよりある程度低くなると"のび"たそばの食感に類似するものと考えられる。<BR>(5) そばの放置にともなうテクスチャーの変化においてadhesivenessの変化がかなり大きく,これも"のび"にともなう食感の変化と大きく関係している。
著者
辻 昭二郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.33-36, 1986-01-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
4

既報の小麦粉のバッターの多重パイト試験法を改良して等速運動とし, バイト数も増加し, バッター濃度, 添加物の影響, バッターの放置にともなう変化などについて数値的に検討した.1) 一般に, 小麦粉のバッターの多重バイト試験においてバッター濃度が大となるほどa, bの経過曲線の勾配の変化は小となった.2) 多重バイト試験におけるノミイトにともなう経過曲線の最初の変曲点は, 小麦粉の粘弾性特性の変化と関連していることが認められた.この関係を示す4値は強力粉ほど大で薄力粉では小であった.3) 小麦粉の多重パイト試験のパラメーターam, bm, cm/am, 4などで小麦粉の特性の差を数字的に示すことができる.4) 既報の1/100N酢酸液バッターによる多重バイト試験はとくに強力粉の粉質問の差をよく示した.5) 小麦粉のバッターを長時間放置するとその加工性が低下するが, この変化も多重バイト試験のパラメーターの変化で示すことができる.
著者
辻 昭二郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.61-65, 1984-02-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
20
被引用文献数
7 5

食感の変化を機器によるバラメーターで表現することを検討した。測定にはテンシプレッサーを使用した。(1) そばとうどんの食感の基本的な違いも両者のfract.特性の差として示せる。(2) 測定や解析が簡便で再現性のよいパラメーターとして,新たにfract. indexを導入して検討した。(3) Fract. indexはそばのfract.特性および“のび”にともなう食感の変化を数字的に表現するのに極めて有用であった。(4) Fract. indexの値で0.74近辺がそばの食感として最適なfract.であり,これよりある程度高くなるとうどんに類似し,逆にこれよりある程度低くなると“のび”たそばの食感に類似するものと考えられる。(5) そばの放置にともなうテクスチャーの変化においてadhesivenessの変化がかなり大きく,これも“のび”にともなう食感の変化と大きく関係している。