著者
近藤 勉 鎌田 次郎
出版者
一般社団法人 日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.93-101, 2003-03-31 (Released:2018-07-20)
被引用文献数
8

高齢者の精神生活に影響する生きがい感とは何なのか。またそれを測るスケールはどうあるべきか,驚くべきことに老年心理学はいまだにこれにこたえられていない。アメリカでつくられた他の概念を測るスケールを代用してきたのが現状である。そこでわが国の高齢者の生きがい感を調査し,その結果を基に生きがい感スケールを作成し,生きがい感を操作的に定義することを目的とした。まず162人の高齢者から生きがい感の範囲を定める概念調査を行い,仮の定義を作成した。さらにその仮の定義に基づいて項目を作成選定し,391人のセンター高齢者に対し本調査を行い,項目分析の結果,16項目によるスケールを作成した。そのスケールは信頼性と妥当性が高いスケールであることが分かった。このスケールの構造から高齢者の生きがい感を定義すると,なにごとにも目的をもって意欲的であり,人の役に立つ存在との自覚をもって生きていく張り合い意識である。また,なにか向上した,人に認めてもらっていると思えるときにも感じられる意識といえる。
著者
加藤 直樹 高野 真希子 木田 哲量 近藤 勉 今野 誠 須藤 誠 加藤 清志
出版者
日本学術会議 「機械工学委員会・土木工学・建築学委員会合同IUTAM分科会」
雑誌
理論応用力学講演会 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.59, pp.196, 2010

滑走路や高速道路舗装に使用されているようなコンクリート平版が弾性基礎上にある場合、半無限ばりの解析では、従来はその変形および曲げモーメント分布は単純な逆ベル形であったが、本研究によれば減衰部に極性の交番する変形が発生することが明らかになった。この事実は設計にあたり、単純曲げではなく曲げ疲労強度を考慮すべきことを示唆してる。そこで本報告は、半無限舗装版に車輪型点荷重を受ける場合、コンクリート版に引張ひび割れが発生する実状にかんがみ、地盤反力係数(地盤安定処理の程度)と応力やたわみを2000~3000m超という長手方向版長Lに対し、幅員B=100m程度でB/L=1/20~1/30を考慮し、はりにモデル化して解析を進めた。なお、幅員方向応力分担能をはり状に仮定し、版厚の影響についても考察した。また、応力解析にあたり、とくに目地なし半無限版を想定し、たわみ、曲げモーメント、地盤係数等の相関関係を総合的に考察し、舗装版設計上の限界特性値や地盤安定処理についての指針を明らかにし、両振り曲げ疲労対策としての高強度筋使用と鉄筋法の提案を行ったものである。
著者
西川 肇 藤井 壽生 工藤 勝輝 露木 延夫 近藤 勉 田原 達人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.706, pp.77-85, 2002-05-22 (Released:2010-08-24)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

河川流域における森林が緑のダムとして大きく評価されるようになってきている. 森林の保水機能を軸とした沿水・利水の対策が求めはじめられた今日, 河川流域を単位とした森林の生育状況からその保水機能を定量的に評価することが河川管理上で重要なキーポイントとなる. 本研究は, 東京都民の水瓶である多摩川小河内ダム上流域を対象に, ランドサットデータで判読した森林の生育状況と林地土壌の理学的性質との相関性を定量的に分析し, 流域の持つ森林機能について解析した.