著者
鈴木 亮一 島田 昌和 森本 匡洋 神野 信夫 鈴木 周二 余戸 拓也 原田 恭治 道下 正貴 原 康
出版者
Japanese Society of Veterinary Anesthesia and Surgery
雑誌
日本獣医麻酔外科学雑誌 (ISSN:21896623)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.45-52, 2023 (Released:2023-10-17)
参考文献数
30

3歳4ヶ月齢の避妊雌のドーベルマン・ピンシャーが、右後肢の跛行が進行していたため紹介来院した。整形外科的検査では股関節の可動域が減少し、右大臀筋および大腿部骨格筋の萎縮が明らかに認められた。コンピュータ断層撮影では右坐骨腹側から右大腿骨転子窩尾側に伸びる骨塊が認められた。Von Willebrand病1型遺伝子のDNA検査では遺伝子変異は認められなかった。骨塊は外科的手術により切除され、組織学的に化骨性筋炎と診断された。運動機能は顕著に改善し、術後363日目においても再発は認められなかった。
著者
堀 正敏 藤澤 正彦 堀口 和秀 道下 正貴 百渓 英一 田島 剛
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

我々は、消化管には5-HT4受容体(5-HT4R)を介する消化管局所での抗炎症シグナル機構が存在することを術後イレウスモデルを用いて発見した。そして、さらにその詳細なシグナル伝達系の解明を試みた。その結果、5-HT4Rの活性化を介した消化管壁内神経刺激は、神経終末からAChを放出する。AChは健常時には消化管平滑筋に作用し消化管運動亢進作用を発揮するが、消化管炎症時にはマクロファージ上のα7ニコチン様ACh受容体(α7nAChR)を活性し、マクロファージ浸潤を抑制するとともに、ムスカリンM2受容体(M2AChR)を介して好中球浸潤を抑制することが明らかになった。