著者
遠藤 幸子
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.267-277, 2014 (Released:2015-04-28)
参考文献数
71
被引用文献数
1 3

多くの鳥類において,繁殖期に雄から雌への給餌行動が観察される.この行動は,繁殖における雌雄の役割分担,交尾をめぐる雌雄の性的対立,そして社会的一夫一妻制鳥類におけるつがい関係維持に果たす役割といった観点から研究が行なわれ,鳥類の繁殖生態の研究において行動生態学分野の知見を提供してきた.これまでの研究から,雄から雌への給餌行動は,各繁殖段階において個体の適応度に影響を与えるであろう,様々な機能をもつことが明らかになってきた.そして,これらの報告は,鳥類の繁殖における雌雄の関係性の理解に大いに貢献することを示唆した.そこで,本稿では,繁殖段階ごとに雄から雌への給餌の機能に関して提唱されている仮説とその検証結果について整理し,鳥類の繁殖における雄から雌への給餌行動の機能とこの行動の進化した背景について議論する.なお,つがい形成前における(1)つがい相手選択仮説,つがい形成後から産卵期にかけては(2a)栄養補給仮説,(2b)雌に交尾を受け入れてもらうための給餌仮説,(2c)雌による雄の育雛能力査定仮説,(2d)つがい関係維持仮説を,そして抱卵期における給餌においては(3a)栄養補給仮説,(3b)雌による雄の育雛能力査定仮説,そして(3c)つがい関係維持仮説について,それぞれ説明する.
著者
遠藤 幸子 成瀬 真理生 近藤 博史 田村 淳
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.102, no.3, pp.147-156, 2020-06-01 (Released:2020-09-16)
参考文献数
60

人工林は日本の森林の約40%を占めており,木材供給だけでなく生物にとっての適した生息場所として機能することが期待されている。しかしながら,人工林内の生物の多様性およびその生態について十分に理解されているとはいえない。本研究ではスギ・ヒノキ人工林で観察される鳥類種を明らかにし,その生態的特徴について考察した。調査は2014年から2018年の鳥類の繁殖期にあたる5月から6月にかけて神奈川県西部の3山域57地点において実施した。観察調査から8目26科45種がスギ・ヒノキ林を利用していることが明らかとなった。確認された種数およびその種組成は,スギ林とヒノキ林との間で有意な違いはみられなかった。確認された鳥類のうち留鳥10種と夏鳥2種を含む2目9科12種は,全ての山域で年を経ても繰り返し確認されており,これらはスギ・ヒノキ人工林を利用する確率の高い種であると示唆された。これら12種のうち11種は昆虫食であった。さらに,10種は樹上と樹洞に営巣する傾向があった。このように,人工林を利用する確率の高い種では,食性と営巣場所の選択において高い共通性がみられた。
著者
亀山 春 遠藤 幸子
出版者
島根県立大学短期大学部
雑誌
島根女子短期大学紀要 (ISSN:02889226)
巻号頁・発行日
no.8, pp.26-28, 1970-03-28

電子レンジにより熱処理したカボチャ,西洋ニンジンのグルタミン酸脱炭酸酵素の活性を測定し,従来の加熱調理方法と比較検討した。その結果,カボチャ,西洋ニンジンいずれの場合も,蒸調理した場合は大部分の酵素活性が保持されているのに対し,電子レンジにより加熱処理した場合には,その活性がほとんど矢なわれることが認められた。これらのことから電子レンジによる調理方法は,従来の加熱調理に比べ,スピーディーに本酵素を失活せしめ,従って,うま味成分であるグルタミン酸の保持という点から,望ましい調理方法であると考察された。終りに,電子レンジを利用させていたゞきました本学調理学研究室の皆さんに,又実験に協力して下さった本学44年度,栄養学特殊研究生 大村茂子,重住江里子両嬢に謝意を表します。
著者
亀山 春 遠藤 幸子 Haru KAMEYAMA Sachiko ENDO
雑誌
島根女子短期大学紀要 (ISSN:02889226)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.26-28, 1970-03-28

電子レンジにより熱処理したカボチャ,西洋ニンジンのグルタミン酸脱炭酸酵素の活性を測定し,従来の加熱調理方法と比較検討した。その結果,カボチャ,西洋ニンジンいずれの場合も,蒸調理した場合は大部分の酵素活性が保持されているのに対し,電子レンジにより加熱処理した場合には,その活性がほとんど矢なわれることが認められた。これらのことから電子レンジによる調理方法は,従来の加熱調理に比べ,スピーディーに本酵素を失活せしめ,従って,うま味成分であるグルタミン酸の保持という点から,望ましい調理方法であると考察された。終りに,電子レンジを利用させていたゞきました本学調理学研究室の皆さんに,又実験に協力して下さった本学44年度,栄養学特殊研究生 大村茂子,重住江里子両嬢に謝意を表します。