- 著者
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郡 千寿子
- 出版者
- 弘前大学教育学部
- 雑誌
- 弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
- 巻号頁・発行日
- no.90, pp.1-8, 2003-10
青森県弘前市においては,「わ」という-人称代名詞が「私」に代替する表現形として使用されている現状がある。日本語の場合、-人称代名詞は、使用場面や相手によって意識的にせよ無意識的にせよ選択されて使用されている。言語習得時期を過ぎ、言語使用を自己判断によっているといえる成人男女において、とくに方言形である「わ」という一人称代名詞が,どのように弘前において使用されているのかについて,その実態調査をもとに考察検討したものである。近年,方言は言語の文化的側面を示したものとして,重要視され注目されているが,実際の使用者の意識はどのようなものであろうか。方言主流社会1・といわれている弘前で,年代による,また男女による,使用実態の差や使用意識の差がどのように分布しているのかを検討し,今後の言語使用の在り方について,その方向性を探ってみたい。