著者
田村 良一 都甲 康至 石川 奉矛 北川 央樹
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.6_95-6_104, 2016-03-31 (Released:2016-05-30)
参考文献数
22

本論文は,デザインプロジェクトの戦略的な遂行に向けて,経営戦略の考え方を参考として,デザインプロジェクトの特徴,成功要因やリスクヘッジ要因を見出すための考え方や方法を構築,提案したものである。 前者では,研究開発を対象とした既往研究をもとに評価項目を収集,整理し,強みと弱みに関する17種類,機会と脅威に関する13種類の合計30種類の評価項目を作成した。後者では,強みと弱みに関する17種類の評価項目をもとに,それらが達成することを成果とする成果項目を作成し,DEMATEL法により項目間の影響関係を把握するとともに,各項目の重要度,さらに実現可能性を加味することで,成功要因やリスクヘッジ要因を導出する考え方を構築した。そして,事例検証を通して,項目や分析の考え方の適用可能性を確認した。
著者
都甲 康至 栗原 隆
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.63, 2016

日本食の世界的なブームに伴い日本の安全・安心な生鮮食品の海外への需要が急速に高まってる。政府もTPP対策や農林水産業の活性化を図るために生鮮食品の輸出に関する公的支援が活発化しているが、地方都市に目を向けるとそこには様々な問題がある。そこで農林水産物等の国内生産から輸出相手国の消費に至るまでの一連のプロセスを社会システムととらえ、地方都市における既存の地域産品の輸出に係る諸問題を解決し、新たな社会システムを構築するために必要なデザイン要件と方法論の研究が必要と考えた。本論文はその基礎研究として、まず既往研究から現在の社会システムに係るステークホルダーとその役割を導出し、次に彼らが抱える諸問題を明らかにするために、北部九州で現在、農林水産物等の輸出に取り組んでいる関係機関に対して聞き取り調査を行い、その調査結果から得られた関係機関が抱えている諸問題を明らかにした。そして「地域産品グローカル・バリューチェーン構想」の概念図を仮説として提示し、最後に結論として地方都市において地域産品輸出促進プラットホームのような社会システムをデザインするにあたって参考となるような基本的考え方について述べた。
著者
田村 良一 都甲 康至
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.92, 2011

本研究は新規航空会社の一つであるスターフライヤー(SFJ)の羽田空港~福岡空港路線の就航を見据え,客層の一つとして捉えられる大学生を対象として,SFJおよび競合3社の印象,航空会社の選定の考え方についてアンケート調査,分析を行い,今後のSFJのデザイン戦略のあり方について検討したものである。今後のSFJのデザイン戦略としては,イメージの評価に主に関係する「モノのデザイン」は現状の方向性を維持し,経験価値の評価に主に関係する「コトのデザイン」は,快適感,安心感,充実感を感じさせる内容を展開,訴求することが望ましいと考えられる。
著者
都甲 康至 田村 良一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究は、食の地域ブランドに関する定義と構成要素、消費者の脳内に形成されるブランド知識形成モデル等の基礎研究を基盤に、自治体主導の都市ブランド創生活動において食の地域ブランドづくりが果たす役割を、事例研究を通じて地域の利害関係者で構成される協議会の機能・組織、食の地域ブランドの認証制度等を考察し、結論として社会システムデザインの観点に基づく食の地域ブランド戦略デザインプロセスを提案したものである。