著者
伊藤 忠 太田 和義 馬渕 晃好 國島 宏樹 山崎 一徳 森田 良文 谷川 智康 吉久 みな子 久保 晃 酒井 義人
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.751-756, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
19

〔目的〕本研究は,ケイデンスを変化させた後進歩行練習直後の運動機能の影響を検証することである.〔対象〕対象者は,高齢者6名(以下高齢者群),若年者7名(以下青年群),中学生7名(以下少年群)とした.〔方法〕3分間の後進歩行練習を,メトロノームを使用して,ケイデンスを自由速度から50%の速度へと30秒ごとに増減させて実施した.運動機能評価は,自由歩行速度,timed“up & go”test (以下TUG),5 m最大歩行速度,片脚立位時間,座位開閉ステッピングテスト,chair stand test(以下CS-30)とした.〔結果〕共通して,5 m最大歩行速度,CS-30で有意な向上を認めた.〔結語〕後進歩行練習は,年齢によって若干の違いは出るが,運動機能向上に有用であることが示唆された.
著者
酒井 義人 松山 幸弘 岡本 晃 石黒 直樹
出版者
日本腰痛学会
雑誌
日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.96-103, 2007 (Released:2008-01-22)
参考文献数
20

筋弛緩薬として知られるeperisone hydrochloride(EMPP,ミオナール®)の効果につき検討した.6カ月以上持続する男性慢性腰痛症患者74名をランダムに3群すなわち,A群:物理療法のみ行った25例,B群:EMPPを4週間投与した24例,C群:McKenzie法を行った25例に分け,2,4週後にJOA score,Faces Pain Scale-Revised (FPS-R),VAS,SF-36を評価した.また腰椎伸展・屈曲における腰背筋酸素化を,近赤外分光器(NIRS)を用い酸素化ヘモグロビン(Oxy-Hb),脱酸素化ヘモグロビン(Deoxy-Hb)を評価した.2週後ではすべての評価で差を認めず,4週後の評価では,VASでA群とC群間で有意な差を認めた.NIRSでは,2週後で差を認めず,4週後で腰椎伸展時のOxy-HbがB群で有意に増加した.疼痛に関してはMcKenzie法が効果的でVASでは4週という短期間で有意に改善した.EMPP投与では改善はされるものの有意な疼痛改善には至らなかったが,NIRSでの評価では腰椎伸展におけるOxy-Hbの増加が有意にみられた.慢性腰痛患者の保存治療として運動療法とEMPP投与の併用が望ましいと考える.