著者
原口 哲子 髙橋 佳子 大久保 晃樹 西小野 美咲 榊 美紀 原口 優清
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.197-201, 2019 (Released:2019-08-27)
参考文献数
15

【緒言】解熱鎮痛剤であるアセトアミノフェンはWHO(世界保健機関)方式がん疼痛治療法では代表的な薬剤の一つとして位置づけられている.【症例】75歳,女性. 左上葉肺がん術後再発.多発骨転移によるがん疼痛に対しアセトアミノフェンを使用していたが,同薬剤の商品を変更しアレルギー症状が出現したため中止し,症状は消失した.同薬剤の別の商品へ変更し継続した.【考察】アレルギー症状はアセトアミノフェンの添加剤が原因と推察された.【結論】アセトアミノフェンによるアレルギー症状の出現時,規格を変更することで薬剤使用を継続できる可能性がある.
著者
牧迫 飛雄馬 阿部 勉 藤井 伸一 住谷 久美子 吉松 竜貴 徳原 理恵 小林 修二 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.203-206, 2005 (Released:2005-09-02)
参考文献数
16
被引用文献数
2 1

在宅における歩行能力評価としての可能性を探ることを目的に,1.5 m,5 mおよび10 m歩行を分析し,その妥当性を検討した。対象は,理学療法を実施している入院患者40例(平均年齢70±12歳)で,快適および最大速度歩行中の1.5 m,5 m,10 mの各地点を通過した所要時間,歩数を計測し,歩行速度,歩行率,歩幅を比較した。その結果,快適および最大歩行ともに歩行距離による歩行速度,歩行率,歩幅の有意差は認めなかった。また,歩行速度,歩行率,歩幅ともに快適速度,最大速度条件において1.5 m歩行は5 m歩行,10 m歩行のそれぞれと有意に高い相関関係を認めた。以上より,1.5 mでの歩行測定は,5 m歩行および10 m歩行同様に歩行能力評価指標のひとつとして活用できる可能性があると考えられた。
著者
石坂 正大 久保 晃 金子 純一朗 野村 高弘 堀本 ゆかり 韓 憲受 貞清 香織 黒澤 和生 大村 優慈 森田 正治 江口 雅彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.531-536, 2017 (Released:2017-08-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

〔目的〕円滑な就職活動の支援に向けて,理学療法(以下,PT)学生における就職決定要因を検討することとした.〔対象と方法〕対象は平成27年度PT学科学部4学年とし,アンケートの協力が得られた144名であった.〔結果〕就職決定因子のうち重要性の高いのは,PTの上司の理解,役職者のリハビリに対する理解,臨床での技術指導の充実であった.主成分分析の結果,5つの主成分が抽出され,人的地域的親和性,待遇,卒後教育環境,立地,自己実現に関する項目であると解釈できた.〔結語〕就職決定因子として,上司の理解による人間関係,および病院・施設での研修制度の充実が重要である.
著者
田上 裕記 太田 清人 小久保 晃 南谷 さつき 金田 嘉清
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.207-213, 2008-12-31 (Released:2021-01-23)
参考文献数
27

姿勢の変化が嚥下機能に及ぼす影響について検討した.対象は,健常成人21名(平均年齢:30.6±9.7歳)とした.研究の説明を十分に行い,同意を得た上で検査を行った.方法は,背もたれのない坐位をとり,頚部は制限せず自由とし,4つの姿勢条件を設定した.①姿勢(a):股屈曲90度,膝屈曲90度, ②姿勢(b):股屈曲135度,膝屈曲90度,③姿勢(c):股屈曲90度,膝屈曲0度(長坐位),④姿勢(d):両下肢挙上位,以上の姿勢条件にて,嚥下造影検査(以下,VF検査)および反復唾液嚥下テスト(以下,RSST)を行った.VF検査は,70%希釈バリウム液15ml を各姿勢にて,合図とともに随意嚥下させ,咽頭通過時間をLogemannの測定法に準じ測定した.同様の姿勢条件にてRSSTを施行し,触診法にて嚥下回数を測定した.尚,統計処理は,一元配置分散分析,Tukeyの多重比較検定にて検討した.結果は,VF検査,RSSTのいずれも一元配置分散分析において有意差が認められた (p<0.05).各群間の比較ではVF検査についてみると,姿勢(a)の咽頭通過時間は,姿勢(b)の咽頭通過時間と比較し有意な差はみられなかったものの,姿勢(c)(p<0.05)および姿勢(d)(p<0.01)の咽頭通過時間と比較し,それぞれ有意に低値を示した.また,姿勢(b)の咽頭通過時間は,姿勢(c)の咽頭通過時間と比較し有意な低値を示した (p<0.05).RSSTは,VF検査とほぼ同様の結果が得られた.摂食・嚥下障害に対し,下肢の肢位に関する報告は少ない.嚥下運動は,筋収縮を伴う一連の全身運動であり,頚・体幹・下肢のポジショニングによって嚥下に関与する筋の効率が変化する.以上の結果より,下肢を含めた姿勢の変化が嚥下機能に影響を及ぼしたことが推測された.頚部・体幹・四肢の相互関係を考慮した姿勢設定の重要性が示唆された.
著者
橋本 祥行 前川 茜 屋敷 法子 尾崎 翼 永渕 希 井上 沙理奈 加辺 憲人 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.635-639, 2016 (Released:2016-10-27)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

〔目的〕観察にて評価可能な病棟歩行自立アセスメントシートの導入効果を検討することとした.〔対象と方法〕平成24年4月から平成26年3月までに船橋市立リハビリテーション病院を退院した脳卒中患者のうち入院中に歩行自立となった181例を対象とした.カルテより後方視的に抽出された基本情報,運動機能,高次脳機能,行動・ADLを病棟歩行自立判定後の転倒の有無による群間で比較した.〔結果〕病棟歩行自立判定後に21例(11.6%)の転倒が発生した.全ての調査項目で2群間に有意差は認められなかった.〔結語〕歩行自立判定後の転倒率および傷害の状況から,アセスメントシートの導入は実用性を有するといえる.
著者
今井 祐子 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.259-263, 2019 (Released:2019-04-26)
参考文献数
25
被引用文献数
2 3

〔目的〕若年女性に対し,体組成と栄養状態の関係を検討した.〔対象と方法〕健常成人女性40名に,体重,BMI,体脂肪率,体脂肪量,全筋肉量,右上肢筋肉量,左上肢筋肉量,体幹筋肉量,右下肢筋肉量,左下肢筋肉量,タンパク質量,ミネラル量,SMI,FFMI,FMIを計測した.計測値および算出値を比較し,相関係数を検討した.〔結果〕全筋肉量と体重,右上肢筋肉量,左上肢筋肉量,体幹筋肉量,右下肢筋肉量,左下肢筋肉量,タンパク質量,ミネラル量,SMI,FFMIに正の強い相関がみられた.〔結語〕全身筋肉量の低下が,タンパク質量の低下,ミネラル量の低下に関係している可能性があること,筋肉量の計測はタンパク質量,ミネラル量の指標になることが示唆された.
著者
遠藤 佳章 久保 晃 木村 和樹 三浦 寛貴
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.42-46, 2016 (Released:2017-02-20)
参考文献数
24
被引用文献数
1

【目的】超音波画像診断装置を用いて健常若年男性の腰椎各レベルの多裂筋横断面積の腰椎レベル高低での差異と左右差の2 要因を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は過去に腰部の疾病や外傷,腰痛の既往がない上下肢ともに右利きの健常若年男性55 名とした。超音波画像診断装置を用いて,腹臥位で左右の第5・4・3・2・1 腰椎レベルの多裂筋横断面積を計測した。【結果】多裂筋横断面積の左右比較では,第5・4 腰椎レベルで右側が有意に大きく,第3・2・1 腰椎レベルでは有意差は認められなかった。また,左右ともに下位腰椎にいくにつれて多裂筋横断面積は有意に増大した。【結語】腰部多裂筋横断面積は下方にいくにつれて大きくなり,利き側がより発達することが示唆された。
著者
伊藤 忠 太田 和義 馬渕 晃好 國島 宏樹 山崎 一徳 森田 良文 谷川 智康 吉久 みな子 久保 晃 酒井 義人
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.751-756, 2013 (Released:2014-01-21)
参考文献数
19

〔目的〕本研究は,ケイデンスを変化させた後進歩行練習直後の運動機能の影響を検証することである.〔対象〕対象者は,高齢者6名(以下高齢者群),若年者7名(以下青年群),中学生7名(以下少年群)とした.〔方法〕3分間の後進歩行練習を,メトロノームを使用して,ケイデンスを自由速度から50%の速度へと30秒ごとに増減させて実施した.運動機能評価は,自由歩行速度,timed“up & go”test (以下TUG),5 m最大歩行速度,片脚立位時間,座位開閉ステッピングテスト,chair stand test(以下CS-30)とした.〔結果〕共通して,5 m最大歩行速度,CS-30で有意な向上を認めた.〔結語〕後進歩行練習は,年齢によって若干の違いは出るが,運動機能向上に有用であることが示唆された.
著者
池ノ内 紀祐 下方 薫 太田 清人 小久保 晃 上村 晃寛 大石 尚史
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.465-470, 2004

誤嚥性肺炎に対する新たな呼吸管理を行ったので報告する。症例1は81歳、男性。脊髄小脳変性症後生じた誤嚥性肺炎に対して、排痰を促したが改善が得られず、非侵襲的陽圧換気 (NPPV) 使用下による気管支鏡を実施した。食物残渣をはじめとする多量の気道内分泌物を吸引し、救命し得た。症例2は73歳、男性。鯖歯後に生じた誤嚥性肺炎に対して、排痰を促したが改善が得られず、NPPV使用下による気管支鏡を実施した。左右両気管支を閉塞させる膿性痰を吸引し救命し得た。挿管拒否、二次感染の危惧される症例では、NPPV使用下による気管支鏡の実施が、救命およびADLの維持に有用と考えられた。
著者
柴 隆広 沢谷 洋平 広瀬 環 石坂 正大 久保 晃 浦野 友彦
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.149-154, 2020-04-25 (Released:2020-05-29)
参考文献数
21
被引用文献数
1

目的:通所リハビリテーション利用者のサルコペニアの有病率を明らかにする.また,サルコペニアとなりうる危険因子を明らかにする.対象:当事業所の利用者104名を対象(男性56名,女性48名,平均年齢78.6±7.7歳)とした.方法:サルコペニアの診断はAWGSの診断アルゴリズムを基準に分類した.サルコペニアの危険因子の調査では①脳血管疾患,②高血圧,③呼吸器疾患,④循環器疾患,⑤整形疾患,⑥骨折,⑦がん,⑧難病,⑨糖尿病,⑩過去1年間の転倒歴の10項目を調査した.結果:有病率はサルコペニア51.9%であった.サルコペニアの危険因子として「がん」「転倒歴」の項目に有意差が認められた.結語:要支援・要介護高齢者(特にがん,転倒歴を有する者)はサルコペニアのリスクが非常に高く,早期からの介入が望まれる.
著者
及川 真人 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.183-186, 2015 (Released:2015-06-24)
参考文献数
13
被引用文献数
8

〔目的〕歩行パフォーマンスと生活空間の関係を明らかにすることとした.〔対象〕脳血管障害により片麻痺を呈し,当院外来に通院している138名とした.〔方法〕歩行パフォーマンス評価には10m歩行時間を生活空間評価にはLife-space Assessment(以下LSA)を用いた.両変数の相関を分析し,単回帰式を算出した.また,より適合する曲線回帰を検討した.〔結果〕LSAと10m歩行時間はr=-0.576と負の相関を示した.また,直線回帰に比べ,逆数回帰がr=-0.768とより適合した.〔結語〕10m歩行時間から生活空間を把握し,生活アドバイスを行うことは生活期リハにおいて有効であると考える.
著者
金子 賢人 石坂 正大 千葉 康平 山下 智幸 乃美 証 田中 清和 髙橋 仁美 久保 晃
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.537-542, 2022 (Released:2022-12-15)
参考文献数
13

〔目的〕重症COVID-19肺炎で入院し,自立歩行で退院した患者の特徴を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕集中治療室でリハビリテーションを実施した112例を対象に,退院時の歩行の可否で自立群(76名)と非自立群(36名)を基礎情報,呼吸機能,身体機能,離床状況を2群で比較,検討した.〔結果〕自立群と非自立群は,年齢(55.8 ± 12.3 vs 66.7 ± 13.0歳),せん妄(12 vs 12名),Sequential Organ Failure Assessment score(SOFA)スコア(7 vs 8),ferritin(1813 vs 1168 ng/mL),挿管期間(6.1 vs 11.1日)で有意差がみられた.〔結語〕自立群では,年齢,せん妄,SOFAスコア,ferritin,挿管期間が関係することが示唆された.
著者
佐藤 稜 沢谷 洋平 柴 隆広 広瀬 環 佐藤 南 石坂 正大 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.673-677, 2020 (Released:2020-10-20)
参考文献数
22
被引用文献数
3 3

〔目的〕要支援・軽度要介護高齢者における抑うつとサルコペニアの関係を明らかにすること.〔対象と方法〕通所リハビリテーション利用者,要支援1・要支援2・要介護1の65歳以上の高齢者79名,男性45名,女性34名を対象とした.抑うつの程度におけるサルコペニアの有病率と抑うつの程度における筋力,身体機能,骨格筋量の関係を検討した.〔結果〕男性のみ抑うつの程度とサルコペニアの有病率に有意な関連を認めた.また,男性は抑うつが強くなるに伴い骨格筋量の有意な低下が認められた.女性においては有意差が認められなかった.〔結語〕抑うつとサルコペニア間に,性差が存在し男性要支援・軽度要介護高齢者において抑うつとサルコペニアに関連があることが明らかとなった.
著者
久保 晃 啓利 英樹
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.115-118, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
6
被引用文献数
18 14

本研究の目的は,高齢入院患者47例,年齢71.6±9.0歳を対象に,簡便に測定可能な前腕長と下腿長をもとに身長の実測が困難な高齢者の身長を推定することである。前腕長は肘頭近位部から尺骨茎状突起遠位部まで,下腿長は腓骨頭近位部から外果遠位部までと定義し,前腕長と下腿長を加えた前腕・下腿合計長を算出した。立位身長と前腕・下腿合計長との相関係数はr=0.87(p<0.01)で,回帰式は(身長)=2.1×(前腕・下腿合計長)+37.0,決定係数は0.76であった。この回帰式を用いることで,ADL能力に依存せずに多くの高齢者を対象に身長の推定が可能となり,BMIなどの体格評価から栄養状態等への応用が可能な点で有意義であると考えられる。
著者
遠藤 佳章 小野田 公 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.733-737, 2018 (Released:2018-10-26)
参考文献数
23
被引用文献数
1 1

〔目的〕左右腰椎各レベルの多裂筋横断面積と体組成との相関関係を明らかにする.〔対象と方法〕対象は若年健常男性48名とした.超音波画像診断装置で左右腰椎各レベルの多裂筋横断面積(LM)を測定,InBodyで体組成(体重,BMI,FMI,FFMI,SMI,骨格筋量,左右上肢筋量,体幹筋量,左右下肢筋量)を測定および算出した.身長は身長計にて測定した.〔結果〕体重,身長,右脚筋量は左右全腰椎LMと,BMIは右L3~5,左L4,5のLMと,FFMIは左L4のLMと,SMI,左脚筋量は右L2~5,左全腰椎LMと,右腕筋量,左腕筋量,体幹筋量は右L3~5,左の全腰椎LMと,骨格筋量は右L1, L3~5,左全腰椎LMと正の相関を示した.〔結語〕左右腰椎各レベルの多裂筋横断面積と各々の体組成は関係性が各々異なることが示唆された.
著者
糸数 昌史 久保 晃 谷口 敬道 小阪 淳
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.715-717, 2016
被引用文献数
1

〔目的〕バーチャル教材を用いた解剖学演習を実施し,解剖学に対する学生の興味と苦手意識の変化を調査すること.〔対象と方法〕理学療法学科2年生100名.バーチャル教材を用いた演習後に,授業評価と解剖学に関するアンケート調査を実施した.併せて苦手科目としての解剖学の状況を前年度と比較した.〔結果〕バーチャル教材は学生の興味を喚起し,解剖学を苦手とする学生が有意に減少した.〔結語〕解剖学実習にバーチャル教材を用いることで,学生の解剖学への苦手意識を解消することができた.
著者
石坂 勇人 水嶋 優太 阿久津 瑞季 秋山 純和 千田 雅之 久保 晃 丸山 仁司
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.461-467, 2016 (Released:2016-07-06)
参考文献数
17

〔目的〕肺癌切除術前後の6分間歩行試験(6MWT)の変化と歩行距離を規定する因子を明らかにすることを目的とした.〔対象〕肺癌切除術を施行した57名を対象とした.〔方法〕術前後で6MWT,呼吸機能検査,膝伸展筋力を測定した.6MWTを従属変数とした重回帰分析を用いた.〔結果〕歩行距離は術後で有意な低下が認められた.術前6MWTの重回帰分析では,最高PR,安静時PR,年齢,%VC,安静時呼吸困難感,膝伸展筋力を独立変数とする有意な変数が得られた.術後6MWTは,年齢,歩行後SBP,%VC,最高PR,安静時呼吸困難感を独立変数とする有意な変数が得られた.〔結語〕術前6MWTには心拍予備能力,術後6MWTには心拍出量が関与し,術前後ともに年齢,%VCの影響を受けた.
著者
中尾 優人 麻山 智信 小山 大貴 桜井 浩登 佐々木 拓良 杉田 裕汰 廣瀬 健太 前田 聖也 石坂 正大 貞清 香織 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.439-442, 2017 (Released:2017-06-23)
参考文献数
10
被引用文献数
2

〔目的〕健常者における円背姿勢が体組成成分の計測値に及ぼす影響を明らかにする.〔対象と方法〕50名の健常男性で,通常計測(通常条件),円背指数19.4 ± 2.0の擬似円背装置を用いた円背姿勢かつ通常身長値での計測(円背条件),円背姿勢の身長値かつ円背姿勢での計測(円背・身長補正条件)の3条件で体組成成分を計測した.〔結果〕通常条件と円背条件では,全ての計測値において有意差はみられなかった.円背・身長補正条件は,他条件と比較し,体脂肪量が有意に高値,除脂肪量,四肢骨格筋量,骨格筋指数が有意に低値を示した.〔結語〕円背による身長低下は体組成成分の計測値を変化させ,高度な変形の場合は身長の推定式が推奨される.