著者
野中 茂紀
出版者
公益社団法人 日本顕微鏡学会
雑誌
顕微鏡 = Microscopy (ISSN:13490958)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.163-166, 2012-09-30
参考文献数
12

<p>光シート顕微鏡とは,シート状の励起光を試料側方から照射することで光学断面像を得る蛍光顕微鏡である.この手法は,低褪色,低光毒性,高速性,深部観察能といった,生物個体や組織の生体イメージングに大変好都合な特徴を有する.一方で,側方から励起光を照射することに起因する特有な照射ムラなどの欠点も抱えており,その解決法としていくつかの方法が提案されている.本稿では,生物学研究のための光シート顕微鏡の特徴と近年の発展について概説する.</p>
著者
野中 茂紀
出版者
基礎生物学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

深部観察性能と低光毒性を特徴とする光シート型顕微鏡DSLM(Digital Scanned Light-sheet Microscope)に分光機能を追加した新しい顕微鏡システム(λ-DSLM)を作製した。蛍光ビーズや輝線光源を用いたシステム評価を行い、蛍光アンミキシング解析やラマンイメージングが十分可能な波長分解能であることを確認した。実際の蛍光蛋白質を発現する生体試料を用いた評価実験、およびシステム制御と画像構築・解析まで一括して行うためのプログラムの開発は進行中である。