著者
平尾 努 奥村 学 福島 孝博 難波 英嗣 野畑 周 磯崎 秀樹
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.14, pp.60-68, 2007-09-15
参考文献数
17
被引用文献数
1

複数文書要約の対象となる文書群には,ある文に対して,意味的に似通った文やまったく同じ文が含まれていることが多い.こうした傾向は,要約のための文書群を複数の情報源から得た場合に特に顕著である.しかし,従来のコーパスには,このようなよく似た文,あるいは同一の文の間に注釈付けが存在しない.これは,抜粋を評価するための指標を定義するうえで致命的な問題となる.本稿では,こうした冗長性を考慮したコーパスへの注釈付けの枠組みを提案し,それに基づき,抜粋の情報量を測る指標である被覆率,抜粋に含まれる重要文の冗長度を測る指標である重要文冗長率を提案する.これらの指標による抜粋の順位付けと被験者による順位付けとの間の順位相関係数は,ともに0.7以上であり,人間の順位付けとの間に高い相関があることが分かった.In multiple document summarization, input documents have many similar (or even identical)sentences. However, conventional corpora for multiple document summarization do not include links between similar sentences. This is a critical problem with regard to the definition of evaluation measures for sentence extraction. In this paper, we propose both annotation scheme for corpus and evaluation measures, "coverage" and "redundancy." "Coverage" measures the content information of the system extract and "redundancy" measures the redundancy of the important sentences contained in system extract. We evaluate "coverage" and "redundancy" by comparing their ranking correlation coefficients with subjective human rankings. The results show that both measure attained enough high correlation coefficients, which were more than 0.7 correlation coefficients.
著者
野畑 周 佐田 いち子 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.50, pp.125-130, 2005-05-27
被引用文献数
1

ある特定の出来事について知ろうとして新聞記事などを読むとき、その出来事を示す表現は何らかの形でその記事の中に現われている。しかし、その表現の文字列は一意でないことが多い。文章中の人名や組織名などの表現は、現われる文章に依らず固定していることが多く、それらの表現を自動的に取り出す固有表現抽出システムの精度は近年の研究によって高まっている。それを利用して自由度のより高い出来事を示す表現を汎用的な手法で自動的に抽出することは、情報抽出のための固有表現抽出としては拡張の方向性の一つであり、また自動要約や機械翻訳などの分野においても、文書間の話題のつながりを捉えたり、二言語間で対応する表現の範囲を広げたりする点で有用である。本論文では、特定の出来事を指す表現のうち、「事件・事故名」を対象として、その抽出方法の提案と評価を行う。When we read newspaper articles to obtain knowledge about a specific event, some expressions that denote the event appear in each article, but these expressions are more flexible and elusive than named entities like person names, organization names. Since the performance of a named entity recognizer has recently become better, it is one of the next steps to use recognized named entities for recognizing event expressions. The recognition of event expressions is also useful in detection of the same topic between multiple documents for automatic summarization, and between different languages for machine translation. In this paper, we present a method and evaluation results of extraction of specific incident names as a part of event expressions.
著者
野畑 周 内藤 弘朗 清水 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.114, no.211, pp.31-35, 2014-09-11

感情分析を適用することによって、ユーザによって生成されたコンテンツ(UGC)に基づくサービスに新たな側面を加え、サービスをより充実させることができる。本稿では、ヤフージャパンのツイート検索サービスであるリアルタイム検索における感情分析について紹介する。