著者
渡邉 悟 篠原 尚子 金井 節子 飯塚 良雄
出版者
東京聖栄大学
雑誌
聖徳栄養短期大学紀要 (ISSN:02866366)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-6, 2005-12-20
被引用文献数
1

(1)飯塚パンの元種から酵母(飯塚菌、I)を分離同定したところ、一般のパン酵母として知られるサッカロミセス・セレビシアであった。(2)Iと一般の生イースト(オリエンタル酵母、O;三共、S)と生育状況について比較したところ、YM培地では菌体量が同等であったが、レーズン培地では、1>S>Oの順であった。(3)気体発生量については、レーズン培地で1>S>Oの順であり、中種で同等と判断でき、本捏で1>S>Oの順であった。(4)Iの生育の至適pHを判定したところ、一般の酵母のpH5〜6とは違い、pH3.9付近であった。(5)飯塚パン製造時のレーズン添加の影響を見たところ、レーズン添加で膨張体積が増加し、Iの気体発生を促すには、レーズン添加が適していた。以上より、飯塚パン製造には、Iが適しており生育の至適はpH3.9であり、レーズンを含むパンの製造において気体発生量が多くなることを示唆した。
著者
筒井 知己 金井 節子
出版者
東京聖栄大学
雑誌
聖徳栄養短期大学紀要 (ISSN:02866366)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.1-7, 2004-12-20

強力小麦粉の0.5〜1.5%をクロレラ粉末で置き換えたクロレラ粉末添加小麦粉を調整し、その物理的特性を測定するとともに、各小麦粉を用いて製パン試験を行い以下のような結果を得た。(1)クロレラ粉末添加小麦粉の水分吸着量は、クロレラ粉末添加量が増加するにつれ、徐々に増加した。多重バイト試験では、クロレラ粉末を添加すると生地の圧縮に対する応力は多少増加した。生地の附着力は、クロレラ粉末の添加量が増加するにつれ徐々に低下した。(2)各小麦粉を用いた製パン試験では、クロレラ粉末の添加量が増加するにつれてパンのローフボリュームも徐々に増加した。しかしクロレラ粉末1.5%添加小麦粉のパンは多少内層の気泡が大きく、きめの粗いパンになった。(3)においセンサーでの各パンの香りの分析結果では、クロレラ粉末を添加するとChan.2の出力電圧比が減少し、Chan.1の出力電圧比が、大幅に増加した。(4)各パンの官能検査の結果、各パンの総合評価値には、4種の試料間で有意差があった。クロレラ0.5%添加小麦粉とクロレラ1.0%添加小麦粉を用いたパンは食感、味でそれなりの評価を得ていた。
著者
坂本 美穂 竹葉 和江 笹本 剛生 草野 友子 林 洋 金井 節子 神田 真軌 永山 敏廣
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.51-58, 2011
被引用文献数
13

LC-MS/MSを用いて,鮭および蜂蜜中のジメトリダゾール,メトロニダゾールおよびロニダゾールの分析法を検討した.各薬剤を酢酸エチルで抽出した後,シリカゲルカートリッジカラムを用いて精製を行った.測定は各薬剤の安定同位体標識標準品を用いて,SRMモードで行った.鮭および蜂蜜に0.4~2 μg/kgとなるように各薬剤を添加して,添加回収試験を実施したところ, 回収率91.2~107.0%,併行精度1.7~17.1%,室内精度20% 未満であった.鮭および蜂蜜中の各薬剤の検出限界は0.05~0.2 μg/kgであった.本法を鮭3試料,蜂蜜20試料に適用したところ,食品衛生法上,違反になる検体は認められなかった.