著者
金光 滋 熊谷 博 白坂 繁
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
鹿児島工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03899314)
巻号頁・発行日
no.45, pp.51-56, 2010

「暗号」とは第三者に知られないように,意志の伝達を行うこと,あるいはその方法であるが,これは,古代のカエサル(シーザー)式暗号から現代の「公開鍵方式」の暗号まで連綿と続く情報と情報伝達の安全性につながる重要な伝達方法である。現代の情報化社会においても,本来の暗号の歴史を学び,暗号がもたらした繁栄と,それが破られたときの崩壊を知る歴史に学ぶ観点は混迷の時代にこそ重要であり,危機管理体制に必要であろう。 本報告では,上記の視座から,有名な暗号の歴史と,その構造について言及した。For those this rhyme is penned who are interested in the cultural and historical aspects of ciphers. Upon the page, enwrapped from every reader, search narrowly the lines ! - they hold a treasure of enlightenment. The words - the syllables! Do not forget the most trivial point, or you may lose your labor! Main contents are written by first author, and other authors added amendment. Especially, last author added his lecture content in Kagoshima National College of Technology, and Kinki University. Developing the network of computer, it is the most important point to defend the information. Therefore it is necessary that we study the ciphers in historical point of view.
著者
谷川 好男 金光 滋 塚田 春雄 秋山 茂樹 木内 功
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

この研究課題では,ゼータ関数の対称性,すなわち関数等式をモデュラー関係式を通して一般的に捉えることにより,従来の数多くの研究を高い見地から見直し,更なる一般化を試みることが目的としていた.この研究において,モデュラー関係式を,メイヤーのG-関数やフォックスのH-関数を積分核とすることにより,最も一般的な形で定式化することができたことは大きな成果である.これにより従来の多くの研究の意味がより明確に理解できるようになった.たとえばダヴェンポート-セガルに始まる数論的フーリエ級数の公式を,モデュラー関係式の観点から一般化し,多くの新しい例を与えることができた.またフルウィッツゼータ関数に対しても関数等式の新証明を与えることができたし,エスピノザ-モル,ミコラシュに触発され,関数等式をフーリエ級数展開とみなすことで,数論的に興味深い多くの積分公式を得た.これらの成果は現在,本にまとめるべく執筆中である.多重ゼータ関数も当研究の大きな研究対象であった.特にオイラー・ザギヤー型の2重ゼータ関数の,いわゆる「臨界領域」における虚軸方向の大きさの評価において,クラッツェルの2重指数和の理論を駆使することにより,非自明な結果を得,従来知られていた結果を大きく改良することができた.これは今後数論的関数の和の研究などにおいて多くの応用をもつと期待される.また3重ゼータ関数に対しても同様の研究を進め論文としてまとめた.上記以外のゼータ関数として,多変数の多項式ゼータ関数を扱った.ある種のクラスの多項式について,対応するゼータ関数の解析接続可能な判定条件を与えるとともに,自然境界を持つような例を構成した.