著者
古賀 亜彦
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
鹿児島工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03899314)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.1-7, 2001-08

誘導電動機の諸特性を表すものにハイランド円線図がある。この円線図は誘導電動機の簡易等価回路図に立脚したものであり簡便なためによく利用される。大型の誘導電動機の場合、大きな実負荷をかけることは困難な場合が多い。そのような時、ハイランド円線図を利用すれば任意の負荷に対するすべての特性がわかる。ハイランド円線図を描くのは、かなり難しいことである。そこで、このハイランド円線図をコンピュータで描き、コンピュータ上で任意の負荷に対する誘導電動機の諸特性を求める事が今回の目的である。この研究は誘導電動機の特性をパソコン上でビジュアルに追跡できるので、誘導電動機の授業および実験において非常に有益であると考える。The purpose of this paper is to draw the Heyland circle diagram by using a computer. This diagram shows us various kinds of characteristics of an induction motor. It is very important for us to get many kinds of characteristics of an induction motor without applying real load to it. This diagram is based on a simple equivalent circuit of an induction motor and named Heyland circle diagram. It is very difficult to draw the Heyland's circle diagram, but by observing this program displayed, we can understand and master how to draw the diagram. This program is very useful for studying of the electric machinery. Visual C++6.O was used to write this program.
著者
保坂 直之
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

季節感を表す語が詩的テキストの色合いを決めることは、日本の定型詩になじんでいる我々の共通理解である。本研究では電子化されたドイツ詩のデータを集約し、「~のように」などの指標のある比喩イメージとの複合検索によって、詩的表現の気配を支配する「枠組語」のリスト化を目指している。テキストベースの集約データは自由な処理が容易なため、統計処理よりも「解釈上の思いつき」の適否をその都度確認しながら、通常の読みではできない読み方のための補助に使いやすい。本研究はそのための検索手法も追求している。
著者
岡林 巧 齋藤 利一郎 内谷 保 大竹 孝明 南金山 裕弘 兵動 正幸 村田 秀一 山本 哲朗 中田 幸男 北村 良介 藤井 照久 日下部 伸
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
鹿児島工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03899314)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.35-43, 1998-09
被引用文献数
1

1997年3月26日17時31分、鹿児島県北西部の薩摩地方を震源とする鹿児島県北西部地震(M6.5)が発生し、鹿児島県北西部は、主として斜面、道路、構造物に大きな被害を受けた。また、同年5月13日14時38分、鹿児島県薩摩地方を震源とする鹿児島県第2北西部地震(M6.3)が再度発生し、前地震による被害を拡大する形で鹿児島県北西部は、この2つの地震により本調査だけでも計466件にのぼる各種の被害を確認するなど甚大な地震災害となった。本研究は、内陸山間部で地震による液状化地盤災害を起こした薩摩郡入来町の造成住宅地の地盤特性を知ることを目的として、液状化地盤のスウエーデン式サウンデイング試験、非排水単調せん断試験および非排水繰返しせん断試験の3種類の試験を行い考究したものである。Northwest Kagoshima Prefecture Earthquake (M6.5), which occurred at 5:31 p.m. on March 26 in 1997, and a secondary one (M6.3), which occurred at 2:38 p.m. on May 13,caused a great ground disaster in some places close to the seismic center. This research is to investigate the ground characteristics in-situ by conducting Sweden sounding experiment at the residential quarter in Iriki -cho of Satsuma -gun, which found liquefaction ground disaster in mountains. As a result, the undrained cyclic and monotonic shear behaviour of Shirasu is found to be greatly dependent on the confining pressure and its density. The undrained cyclic shear stress :ratio to cause failure increases in loose specimen while it decreases in dense specimen with increasig confining pressure.
著者
松元 弘巳 薗田 徳幸 岡林 巧 持原 稔 平田 登基男 斉藤 利一郎
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1989

桜島は活発な火山活動を続け、火山灰は周辺地域の生活環境や生産活動に大きな影響を与えている。この火山灰の処理については、各自治体は苦慮しているのが現状である。本研究は、この無用の廃物として処理に因っている火山灰を材料面に有効的に利用することを目的とするものであり、その研究成果の概要は次のとおりである。1、火山灰中の水に可溶性フッ素イオン、塩化物イオンおよび硫酸イオンなどの陰イオンを浮選法により分離除去した。除去率はF^ー:89%,Cl^ー:87%,SO^<2ー>_4:60%を示した。2.コンクリ-ト中の鉄筋の電位差を測定し、腐食状況と電位差との相関を検索した。その結果、腐食の経時変化とともに電位の変動が認められた。3.火山灰は海砂に比べ、比重が大きく、摩耗抵抗性もよい性質を有している。したがって、コンクリ-ト用細骨材として用いた場合、高強度コンクリ-トおよび摩耗特性を求める構造物への利用が十分可能である。4.火山灰の陶磁器素地への利用は、火山灰60〜70%、粘土30〜40%を配合することにより、従来の黒薩摩焼の焼成温度より160℃も低い温度で焼成することができ、省エネルギ-化が画られた。また、陶磁器釉薬への利用は、火山灰325メッシュ通過粒分を単独で用い、良好な釉薬が得られた。5.火山灰80%、粘土20%の配合割合の50mm×50mm×5mmのテストピ-スを作り、焼成温度1160℃で、1〜2時間焼成することにより、陶磁器質タイルを試作することができた。これは日本工業規格の試験法に適合し実用化できることがわかった。
著者
上野 孝行
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

研究目的多くの高専において"ものづくり"が教育目標として掲げられており,もの作りの教育方法について講義や実習などで多角的に検討されている.本校においても,学生のモチベーションをいかに向上させ,維持させるかということが問題視されている.近年,学生の成長過程での周辺環境がIT技術の発展により劇的に変化している.このような背景から,日常生活環境から機械装置が電子装置に置き換わりメカニカルな装置が身の回りにないため,分解してメカニズムを知る楽しみを知らない学生が増えてきている.機械工学科の学生にいたっても,そのようなことに興味を持たない学生も少なからず存在する.このことは創造力の養成に対する動機にも影響している.そこで4輪バギーの操舵部分を対象とした分解組み立ての実習を取り入れる.実用車であるため機械工学科の学生の興味を惹く題材を用いることで,その教育効果を検討する.研究方法(1)現有の4輪バギーを分解し,構造について特にサスペンションのアライメントの理論を学習するための方案を洗練するとともに,他の教科との関連や実習の効果を検討する.(2)また,学生への動機付けの成否を,アンケートや実習を通した学生からの聞き取りで行う.(3)効率よく実習を行うために,実習用のバギーを1台追加する(購入申請).(4)毎実習終了後にアンケートを取り,実習の内容の改善点についてフィードバックを行いながら更に適したテキスト,サブノート,教材の開発を行う.(5)その教育効果をさらに高めるために,補助教材の製作を行う.(6)以上に加えて学生の意識調査を聞き取り方式で行い,実習方案の完成度を高めていく.研究成果(1)4輪バギー保有台数が増えたことにより少人数教育を行うことができた.(2)(1)の結果,実習時間にゆとりが生まれ,新たな分野について授業で取り上げることができた.(3)学生からの聞き取り調査により、すべてにおいて教育効果が高まったことが確認できた.
著者
北薗 裕一
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
鹿児島工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03899314)
巻号頁・発行日
no.43, pp.7-16, 2008

本校では、平成17年度より1年生を対象に、性教育の集中講義を実施している。その際、集中講義事前に性に関する意識調査を実施し、5回の全過程終了後、学生の意識の変容を探るため同調査項目による意識調査も行った。性に関する意識調査では、男女平等に対する意識や、男女役割、結婚、性交渉に対する質問項目を設け回答してもらった。事後調査より効果的な変容が見られた項目もあったが、残念ながら質問項目によっては変容がほとんど見られなかった項目もあり、授業内容改善の必要性を強く感じた。本論文では、平成17・18年度実施した性教育の授業実践と、性に関する事前・事後意識調査における意識の変容について報告する。The objective of sex education is to help and support young people through their mental, physical and moral development. At puberty the problems of prevention, as well as sexual behavior, sex consciousness and sexually transmitted diseases, are getting more and more serious. At our school the 1st students were given intensive lectures on sex education (2hrs ×5=10hrs in the second term ) by a part-time teacher of the medicine department at Kagoshima University in the school years 2005 and 2006. Before the first lecture, a questionnaire on sexual consciousness was conducted and the findings helped to plan and consider the class. When all the lectures were finished, the same questionnaire was conducted again to investigate the changes in their consciousness. It covered questions about consciousness of sexual equality, male-female role, marriage and sexual intercourse. According to the questionnaires before and after the class, there were some differences between the sexes. However, considering there were some insignificant changes, it is necessary to reconsider what to teach.This paper presents the sex education class carried out in the school years 2005 and 2006 and the changes in the students' sex consciousness before and after the class.
著者
金光 滋 熊谷 博 白坂 繁
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
鹿児島工業高等専門学校研究報告 (ISSN:03899314)
巻号頁・発行日
no.45, pp.51-56, 2010

「暗号」とは第三者に知られないように,意志の伝達を行うこと,あるいはその方法であるが,これは,古代のカエサル(シーザー)式暗号から現代の「公開鍵方式」の暗号まで連綿と続く情報と情報伝達の安全性につながる重要な伝達方法である。現代の情報化社会においても,本来の暗号の歴史を学び,暗号がもたらした繁栄と,それが破られたときの崩壊を知る歴史に学ぶ観点は混迷の時代にこそ重要であり,危機管理体制に必要であろう。 本報告では,上記の視座から,有名な暗号の歴史と,その構造について言及した。For those this rhyme is penned who are interested in the cultural and historical aspects of ciphers. Upon the page, enwrapped from every reader, search narrowly the lines ! - they hold a treasure of enlightenment. The words - the syllables! Do not forget the most trivial point, or you may lose your labor! Main contents are written by first author, and other authors added amendment. Especially, last author added his lecture content in Kagoshima National College of Technology, and Kinki University. Developing the network of computer, it is the most important point to defend the information. Therefore it is necessary that we study the ciphers in historical point of view.
著者
上村 忠昌
出版者
鹿児島工業高等専門学校
雑誌
鹿児島工業高等専門学校研究報告.RESEARCH REPORTS OF KAGOSHIMA NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY
巻号頁・発行日
vol.35, pp.69-83, 2000-08-31

鹿児島県・宮崎県・愛媛県などを主として、「ラーフル」という語が「黒板拭き」という意味で使われている。業界のカタログ用語としてはかなり用いられているが、世間的には方言の状況にあり、全国的には通用しない。明治時代の初期には、大阪・愛知・和歌山あたりから西日本に広く使われていたものが、現在、西の周圏地域にだけ色濃く残ったものと思われる。語源は、幕末・明治初期の蘭学の中で用いられたと推測されるオランダ語のrafelと考えられる。rafelは、「こすること、撒糸(ホツシ)ニシタル、ほつれ糸、リント布」という意味で、明治初期に我が国に黒板が導入された時期的状況からも、語源として最も蓋然性が高い。